
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
豚の骨付きあばら肉「ソーキ骨」を、昆布と干しシイタケのだしでじっくり煮込んだすまし仕立ての汁物である。肉は骨から外れるほど軟らかく、脂肪と赤身のバランスが絶妙で、素材本来の香りと旨みが際立つ。主に沖縄県で伝承され、豚を余すところなく活用する食文化の中で生まれた。年に一度のハレの日、かつては庶民が日頃の質素な生活を忘れて豚を調理し、仏前に供えた後に食した。家庭ごとに冬は大根、夏は冬瓜を加えるなど季節の野菜を変え、現在もお正月の定番料理として親しまれている。
由来・歴史
沖縄の食文化において豚は全身を料理に活用し、骨付き肉も貴重な食材とされた。ソーキ骨は脂肪と肉のバランスが良く、香りも豊かなため、煮込むことでその特性を最大限に引き出せる。かつて年末に家畜をさばき、お正月を豚肉料理で祝う風習があり、「豚肉正月」と呼ばれるほど豚料理が新年の象徴となった。この伝統は現代も受け継がれ、ソーキ汁は沖縄のお正月に欠かせない味となっている。
食べ方
骨付きあばら肉は水洗いの後に湯通しし、アクを丁寧に取り除きながら弱火で1時間半ほど煮込む。昆布と干しシイタケを加え、塩と醤油で味を整え、それぞれの戻し汁やかつおだしで吸い物の味に仕上げる。主にお正月に食され、仏前への供養を経て家族で味わうハレの日の料理である。
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産地
汁物の名物

牛汁
王朝時代に牛の屠殺が禁じられた沖縄で、特別な存在として伝わる牛肉の滋養食。鮮やかな黄色の島ニンジン「チデークニ」が入る冬の風物詩である。

ヒージャー汁
山羊の強い臭みをよもぎと苦菜で包み込む、沖縄の「薬膳鍋」。「ヒージャーグスイ」と呼ばれ傷の回復薬として珍重されてきた、好き嫌いが分かれる名物料理である。

つぼ汁
「つぼ」の名はお椀を坪に見立てたことに由来する、長崎県西海市雪浦地区の精進料理。法事の席に欠かせない、シンプルながら奥深い郷土の味である。

のっぺ汁
片栗粉でとろりとした濃度をつける「のっぺ」の名がつく、佐賀の根菜たっぷり汁物。冠婚葬祭で具材を変えて食べられ、祝いには鶏肉やあずき、仏事には花麩を入れる風習がある。
沖縄県の名物

ゴーヤーチャンプルー
「チャンプルー」は島豆腐と季節野菜の炒め物を指す沖縄の庶民料理で、ゴーヤーの苦味を豆腐と卵が包み込む絶妙なバランスが毎日食べても飽きない味わいを生む。

イカスミ汁
口が真っ黒になる「お歯黒汁」として知られるイカスミ汁は、アオリイカの墨と苦菜のほろ苦さが織りなす唯一無二の味わい。沖縄では「サギグスイ(下げ薬)」として古くから健康食として重宝されてきた。

人参シリシリー
「すりすり」という沖縄方言が名の由来。専用の「シリシリ器」で人参をおろし、卵でとじる家庭料理は、ニンジン消費量日本一の県民に長く親しまれてきた。

中身汁
「鳴き声以外は全て食べ尽くす」沖縄の食文化を体現する、豚の内臓をすまし汁仕立てにした逸品。丁寧な下処理による驚くほどさっぱりとした味わいが特徴である。

ミヌダル
真っ黒な外見から「黒肉」と呼ばれる沖縄の祝い料理。イカ墨を加えたゴマだれで豚ロースを漬け込み蒸し上げると、見た目に反してあっさりとした味わいに仕上がる。

ミミガーさしみ
「刺身」とは和え物のこと。豚の耳皮をピーナツ酢で和えた、コリコリとした歯ざわりが魅力の箸休め。沖縄独特の「鳴き声以外すべて食べられる」食文化を体現する一品である。