
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
島原具雑煮は、土鍋に張っただし汁で丸餅、鶏肉、白菜、人参、ごぼう、干し椎茸、高野豆腐などを煮込む具沢山の雑煮である。焼きアナゴや卵焼きを加える家庭もあり、出汁の効いた滋味深い味わいが特徴だ。主に長崎県島原市を中心とした島原半島で伝承され、有明海に面するこの土地の海の幸と、島原の里山の山の幸を組み合わせた料理として発展した。地元の一般家庭では正月や祭礼の日などのめでたい時に食され、家族が集まる機会に欠かせない一品となっている。具材の組み合わせは家庭ごとに異なり、個性が出るところも魅力であり、名物化により飲食店では通年提供されるようになった。
由来・歴史
島原具雑煮の起源は、1637年の島原の乱に遡る。総大将の天草四郎が三万七千人のキリスト教信徒とともに原城に籠城した際、兵糧の餅と山の幸・海の幸を合わせて煮て食し、長期戦の体力と気力を養ったという。全国的にも珍しい土鍋で作る具だくさんの雑煮として知られ、これを食すために島原を訪れる観光客も多い。
食べ方
土鍋に張っただし汁に具材を入れて炊き、そのまま食す。丸餅、鶏肉、白菜、人参、ごぼう、干し椎茸、高野豆腐が一般的な具材で、焼きアナゴや卵焼きを定番とする家庭もある。地元では正月や祭礼のめでたい日に食されるが、飲食店などでは時節を問わず提供されている。
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産地
煮物の名物

茹で干し大根とかんぼこの煮物
断崖の中空干し場で陽光と海風に晒された「茹で干し大根」と、長崎名物の「かんぼこ」が織りなす冬の風物詩。苦み少なくやわらかな食感が特徴の郷土料理である。
アゴの子旨煮
「アゴが手に入らないと田植えにならん」という言い伝えが残る島根の初夏の味。トビウオの大粒の卵を旨煮にした、酒の肴にぴったりの贅沢な一品である。

赤こんにゃく煮
織田信長が赤く染めさせたという伝説を持つ、滋賀県の名物こんにゃく。三二酸化鉄で染められた鮮やかな赤色は煮ても褪せず、冠婚葬祭や学校給食で欠かせない存在となった。

がめ煮
すっぽんを「川亀」と呼んだことに由来する「がめ煮」。豊臣秀吉の朝鮮出兵時に大軍の食糧として誕生したと伝わる、佐賀のハレの日の定番料理である。

煮ごみ
「煮じゃあ」「煮じゃー」とも呼ばれる煮ごみは、くんちの供日料理として欠かせない一品。栗おこわの残りの栗と小豆、煮しめの端材を無駄にしない知恵から生まれた、根菜と鶏肉の甘辛煮込みである。

あらの姿煮
唐津くんちの「くんち料理」の花形として、第二次世界大戦後に商人たちの見栄がきっかけで誕生した巨大なアラの姿煮。10kg級の魚体に大根を詰め、1日かけて煮込む豪快な郷土料理である。
長崎県の名物

いぎりす
「イギリス」とは無関係。「イギス」が転訛した名称の羊羹状の郷土料理で、江戸時代の島原の乱後に四国から移住した農民が有明海のイギス藻を使って作り始めたとされる。

ヒカド
ポルトガル語「Picado(細かく刻む)」が名前の由来。1600年代に南蛮貿易で伝わったシチューが、長崎の食材で独自の進化を遂げた郷土料理である。

地獄炊き(五島うどん/島原そうめん)
遣唐使が伝えたとされる五島うどんを、鉄鍋で「ぐつぐつ」煮込む「地獄炊き」。アゴだしと溶き卵に絡めて食べる、五島列島の鍋囲み行事食である。

鶏飯
男たちが自宅の鶏をさばいてつくった、諫早・目代(めしろ)地区のもてなし飯「といめし」。いまも"男性がつくる最高のおもてなし料理"といわれ、正月や盆、祭りの席で振る舞われる。

ぬっぺ
「ぬっぺ」の名は、さといものとろみで「ぬっとり」することに由来する。諫早の法事や祝いの席に欠かせない、保存が効く煮物である。

鼻はじき
辛子酢みその刺激で鼻がツンとするから「鼻はじき」。諫早の法事に欠かせなかった精進料理が、今は家庭の定番おかずに。