
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
野菜と魚や鶏肉を細かく刻み、しょうゆで煮込み、すりおろしたさつま芋でとろみをつける煮物である。ブリ、鶏肉、大根、にんじん、干ししいたけ、さつま芋、しらす干しなど、長崎周辺の海と山の幸を組み合わせる。秋から冬の寒い季節に体を温める家庭料理として親しまれ、料亭では卓袱料理の一品としても提供される。さつま芋の甘みが具材を調和させるやさしい味わいが特徴で、家庭ごとに具材の組み合わせやとろみの加減に違いがある。
由来・歴史
1600年代初期、長崎に滞在したポルトガル人の宣教師や貿易商人が寒い季節に牛肉や豚肉のシチューを食べていたのが起源とされる。その味が地元に広がり、やがて地域の野菜・鶏・魚を使った独自の作り方が確立した。「ヒカド」はポルトガル語の「Picado(細かく刻む)」に由来し、江戸中期の料理本には南蛮料理の一つとして記載されている。
食べ方
大根、にんじん、干ししいたけなどの野菜とブリや鶏肉を細かく切り、しょうゆで煮込む。最後にすりおろしたさつま芋を加えてひと煮立ちさせ、とろみをつけて完成させる。秋から冬の寒い時期に体を温める料理として家庭でよく作られ、料亭では卓袱料理の一品としても供される。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
長崎県の名物

地獄炊き(五島うどん/島原そうめん)
遣唐使が伝えたとされる五島うどんを、鉄鍋で「ぐつぐつ」煮込む「地獄炊き」。アゴだしと溶き卵に絡めて食べる、五島列島の鍋囲み行事食である。

鶏飯
男たちが自宅の鶏をさばいてつくった、諫早・目代(めしろ)地区のもてなし飯「といめし」。いまも"男性がつくる最高のおもてなし料理"といわれ、正月や盆、祭りの席で振る舞われる。

ぬっぺ
「ぬっぺ」の名は、さといものとろみで「ぬっとり」することに由来する。諫早の法事や祝いの席に欠かせない、保存が効く煮物である。

いぎりす
「イギリス」とは無関係。「イギス」が転訛した名称の羊羹状の郷土料理で、江戸時代の島原の乱後に四国から移住した農民が有明海のイギス藻を使って作り始めたとされる。

具雑煮/島原具雑煮
島原の乱で天草四郎が兵糧として食したと伝わる、土鍋で炊く具だくさんの雑煮。焼きアナゴや卵焼きを入れる家庭もあり、正月や祭礼のめでたい日に親しまれる。

鼻はじき
辛子酢みその刺激で鼻がツンとするから「鼻はじき」。諫早の法事に欠かせなかった精進料理が、今は家庭の定番おかずに。