
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
煮干しと昆布のだしに白味噌を溶き、餅やかまぼこ、さといも、小松菜など豊富な野菜を加えた雑煮である。徳島県内では祖谷の「うちがえ雑煮」など個性豊かなバリエーションが存在する中で、県内広く親しまれている。かつては12月から3月に採れる「まな」というアブラナ科の野菜を加えるのが一般的だったが、現在は小松菜や春菊、ほうれんそうなどの青菜で代用する家庭が増えている。正月にはおせち料理や巻きずしとともに食卓に並ぶ。勝浦では黒砂糖、相生地区では砂糖を加えるなど、地域や家庭によって味付けに違いがある。
由来・歴史
徳島県の雑煮は地域ごとに個性が豊かで、祖谷の「うちがえ雑煮」のような石豆腐入りの醤油味もあれば、丸餅や角餅、すまし仕立てなど多様なスタイルが存在する。その中で「白味噌雑煮」は県内で広く食べられているタイプの一つであり、煮干しや昆布のだしに白味噌を合わせることで、彩り豊かで優しい味わいを実現している。
食べ方
煮干しと昆布でだしを取り、だいこんやにんじん、さといもなどの硬い根菜を先に煮込む。生しいたけやかまぼこを加えた後、白味噌を溶き入れ、小松菜などの青菜で仕上げる。餅は焼いて加えるかゆでて加えるかで家庭によって異なる。縁起を担いで、だいこんは亀甲切り、にんじんは梅型に抜くなどの工夫も見られる。主に正月に食べられ、おせち料理や巻きずしと共に供される。
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産地
煮物の名物

くちぞこの煮付け
靴底の形に似た魚「くちぞこ」を、甘辛く煮含めた有明海沿岸の定番魚料理。夏から秋のふっくらとした身が最高とされ、日常食として親しまれている。

しゃっぱの煮付け
「がねしゃっぱ」とも呼ばれるシャコは、有明海で水揚げされる夏の味覚。醤油で炊くとうまみたっぷりのだしが出る煮付けにされ、煮汁はそうめんの漬け汁としても重宝される。

あらの姿煮
唐津くんちの「くんち料理」の花形として、第二次世界大戦後に商人たちの見栄がきっかけで誕生した巨大なアラの姿煮。10kg級の魚体に大根を詰め、1日かけて煮込む豪快な郷土料理である。

うちがえ雑煮
餅の代わりに硬い豆腐を重ねる、祖谷地方の個性派雑煮。岩豆腐が武士の刀を「打ち違え」たように見えることから名付けられた。

いとこ煮
「遺徳煮」とも書かれる由緒正しい行事料理。萩では澄んだ汁にシイタケやかまぼこを配した冷たい汁物仕立てとなり、祝い事には紅白玉、仏事には白や緑の団子を入れる。
徳島県の名物

包飯
ご飯をそば米雑炊で「包む」という名の由来通り、別々に炊いたそば米雑炊とご飯を混ぜて食べる徳島県西部の郷土料理。米不足の時代に腹持ちを良くするため考案されたアイデア料理である。

ずきがし
徳島の郷土料理「ずきがし」は、ゆでたずいきを酢で和えると黒かった食材が鮮やかな赤に変化する、見た目も楽しい一品。柚子酢を使った爽やかな味わいが特徴である。

鮎ろうすい
鮎が丸ごと一本入った雑炊「鮎ろうすい」。勝浦川の清流で育った鮎はコケを食べて育ち、腹まで食べられるのが特徴。すだちの香りとともに夏の味覚を楽しむ。

鯛めし
鳴門海峡の渦潮にもまれて身が引き締まった「鳴門鯛」を丸のまま米と炊き上げる豪快な郷土料理。鯛の旨味がご飯に染み込み、観光客にも人気が高い。

阿波のいとこ煮
戦時中は砂糖なしで作られた甘煮が、今や徳島の冬の風物詩に。干し芋の凝縮された甘みと小豆の優しい味わいが、寒い季節の体と心を温める。

島そうめん
れんこ鯛の煮汁をめんつゆ代わりに使う独創的なそうめん。出羽島の漁獲物を余すところなく味わう知恵が詰まっている。