
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
高野豆腐粉(とふ粉)は高野豆腐製造過程で出る粉を使い、鶏肉・ニンジン・干しシイタケ・ゴボウなどと炒め煮にする郷土料理である。兵庫県多可町は関西有数の高野豆腐産地として明治〜昭和初期に栄え、現在も町内唯一の製造業者が八千代地区に残る。ほぼ家庭でしか食されず、特に八千代地区の家庭では頻繁に食卓に登場する。味付けは醤油・砂糖・みりんの甘辛煮で、油揚げやこんにゃくを加えるなど家ごとにアレンジが加わる。
由来・歴史
1852年に門田村の門脇定次郎が高野山で製法を学び、帰郷後に高野豆腐製造を始めたのが多可町の発祥である。明治期の日清・日露戦争で軍需用乾物として需要が急増し、製造業者は約90軒にまで発展、昭和初期には関西最大の生産地の一つとなった。しかし第二次世界大戦後の原料不足とインフレで衰退し、現在は町内に1軒の製造業者のみが残る。
食べ方
鶏肉、ニンジン、干しシイタケ、ゴボウを小さく切り油で炒め、だし汁で煮て砂糖・醤油・みりんで味付けした後、最後に高野豆腐粉を加えてなじませ、蓋をして蒸らして仕上げる。外食ではなく家庭で食されるもので、特に高野豆腐製造業者のある多可町八千代地区の家庭では頻繁に食べられている。
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産地
煮物の名物

あみとだいこんの煮付け
初秋に旬を迎える瀬戸内の小エビ「アミ」を、大根とともに甘辛く煮込む伝統の味。鮮度が命で県外にはほとんど出回らない、瀬戸内海の秋の風物詩である。

ブリ雑煮
出世魚のブリを使った縁起物。岡山県南部では鰹節と昆布のだし、北部ではスルメだしが特徴的で、根菜類と共に正月の食卓を彩る。

山椒の佃煮
江戸時代に幕府献上品となった朝倉山椒と、絶滅危機から復活を遂げた有馬山椒。トゲの有無や香りの違いが両者の特徴で、醤油ベースの佃煮はご飯のお供として親しまれる。

イカナゴのくぎ煮
煮上がった姿が錆びた釘のように曲がることから「くぎ煮」と名付けられた、瀬戸内海の春の風物詩。神戸発祥の佃煮は、明石の漁協女性たちによる家庭向け改良が全国普及のきっかけとなった。

白味噌雑煮
「角が立たず円満に」という縁起を担い、丸餅と輪切りの野菜を白味噌で煮る大阪の正月名物。元旦は白味噌、二日目は醤油仕立てと味を変える「商いの街」ならではの知恵が込められている。
兵庫県の名物

さばのじゃう
但馬の漁師が船から帰った朝に囲んだ、サバの寄せ鍋。小さなサバや雑魚を丸ごと使い、骨から取った出汁で煮込む豪快な漁師めしである。

とろろご飯
正月二日の胃腸休養に欠かせない丹波篠山の知恵。粘り気の強い「山の芋」を使ったとろろご飯は、いりこやかつお節のだし汁で伸ばし、ご飯にかけて食べる。

黒豆煮
丹波篠山の粘土質の土と寒暖差が育む最高級黒大豆を、江戸時代には篠山藩主が将軍に献上。正月のおせちから健康ブームで年間通じて親しまれる甘煮である。

焼きアナゴ
1905年に日露戦争帰りの初代店主が始めた兵庫県のソウルフード。ウナギよりも愛される焼きアナゴは、現在も地域の行事に欠かせない名物として親しまれている。

こけらずし
「こけら」の名は、木の削り片を瓦のように並べた屋根に由来する。淡路島西浦海岸で秋の収穫祭や冠婚葬祭に振る舞われ、干し魚のそぼろを酢飯にのせた押し寿司である。

明石焼/玉子焼
たこ焼きに似て非なる食べ方が特徴。ソースではなくかつおと昆布のだし汁にひたして食べる、ふんわり卵の明石のソウルフード。元々は「玉子焼」と呼ばれ、昭和63年に市職員が命名した。