
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
桑の木豆煮は、さやごと赤いかすり模様が入る桑の木豆を醤油と砂糖で煮詰めた甘辛い煮物である。山県市北部の美山地域は明治から大正時代に養蚕業が盛んで、蚕の飼料となる桑の木が広く植えられていた。桑の木豆は9月下旬から収穫が始まり、生で茹でて食べるほか、さやごと乾燥させて年間を通じて保存・調理できる。家庭では柔らかく煮た豆をお茶請けや副菜として食べられ、現代では「飛騨・美濃伝統野菜」として後世に伝承されている。
由来・歴史
山県市美山地域は明治・大正期に養蚕業が盛んで、蚕の飼料となる桑の木が多く植えられていた。台風から桑の木を守るため、根元にインゲン豆を植えてツルをからませ、激しい風から豆を守ったことから「桑の木豆」と名付けられた。古くから栽培される特色ある野菜として、現在は岐阜県の「飛騨・美濃伝統野菜」に認定されている。
食べ方
桑の木豆を鍋に向きをそろえて並べ、水を入れて1時間ほど弱火で茹でる。串が通るほど柔らかくなってから醤油と砂糖を加え、汁気がなくなるまで煮詰めれば完成する。先に調味料を入れると豆が硬くなるため、柔らかくなってから加えるのがポイントである。9月下旬頃から収穫期を迎え、生で食べるほか、さやごと乾燥させて保存し、水に戻して年間を通じて調理できる。
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産地
煮物の名物

若ごぼうの炒め煮
早春を告げる八尾の葉ごぼうを丸ごと味わう。根・軸・葉すべてが食材となり、シャキシャキとした食感とさわやかな香りが特徴の炒め煮である。

白味噌雑煮
「角が立たず円満に」という縁起を担い、丸餅と輪切りの野菜を白味噌で煮る大阪の正月名物。元旦は白味噌、二日目は醤油仕立てと味を変える「商いの街」ならではの知恵が込められている。

イカナゴのくぎ煮
煮上がった姿が錆びた釘のように曲がることから「くぎ煮」と名付けられた、瀬戸内海の春の風物詩。神戸発祥の佃煮は、明石の漁協女性たちによる家庭向け改良が全国普及のきっかけとなった。

煮たくもじ
平安時代の宮中言葉「くもじ=漬物」を煮た郷土料理。酸っぱくなった春の漬物を捨てずに煮て食べる、食材を大切にする先人の知恵が詰まった一品である。
岐阜県の名物

こも豆腐
藁編みのむしろ「こも」で豆腐を包んで茹でると、表面に無数の気泡が立ち、ワラの香りと美しい模様が生まれる。飛騨のおもてなし料理として、盆や正月に振る舞われてきた。

からすみ
桃の節句に東濃の母親が作る「からすみ」は、富士山を模した山型の断面が特徴の蒸し菓子。高級珍味とは別物だが、わが子の幸せを願う名に由来する。

鮎の塩焼
1300年の歴史を誇る「鵜飼」で獲れた鮎は皇室や伊勢神宮へ奉納される由緒正しい味。木曽川・長良川・揖斐川の清流で育まれた鮎を、炭火でじっくり焼き上げた夏の風物詩である。

寒干大根煮
マイナス20度の夜と太陽の日差しを繰り返し、大根が飴色に変化する。飛騨・山之村の「天空の里」で生まれた、厳冬の知恵が詰まった保存食である。

漬物味噌煮
鯖缶を器にした炭焼き小屋発祥の知恵料理。酸っぱく漬かりすぎた白菜を郡上味噌で煮込み、煮返しながら何日も楽しむ、飛騨の冬の味覚である。

初午だんご
繭の形をした団子「初午だんご」は、明治から昭和初期にかけての養蚕盛期、岐阜の農家が豊蚕を願って神に供えた縁起物。白川村では蚕飼祭りで「春駒踊り」とともに今も受け継がれる。