
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
寒干大根煮は、だし汁と醤油で煮込んだ汁物である。主役の寒干大根は輪切りにして茹で、串に刺し軒先で乾燥させ、凍結と融解を繰り返すことで飴色となり甘みを凝縮する。産地は岐阜県飛騨市神岡町の山之村で、標高850〜1000mの「天空の里」と呼ばれる豪雪地帯であり、かつては冬期約5か月間雪に閉ざされていた。1〜2月の収穫から約1か月の寒干し工程を経て、1年を通じて食べられる保存食として親しまれてきた。現代では煮物のほか多彩なアレンジが可能な万能食材として、家庭ごとのレシピも発展している。
由来・歴史
寒干大根は飛騨市神岡町山之村で、作付けから完成まで約8か月をかけて作られる。11月上旬に地中に保存した大根を、氷点下となる1〜2月に掘り出し、夜間マイナス20度まで下がる厳寒の中で凍結と融解を繰り返し乾燥させる。かつて深い雪に約5か月孤立していた山之村の先人たちが、厳しい冬を乗り切るための知恵として生み出した保存食である。
食べ方
寒干大根は10〜20分ほどお湯かぬるま湯に浸して戻し、だし汁とともにひと煮立ちさせて醤油で味を整え、20分ほど煮込む。1〜2月の収穫・寒干し期を経て、1年を通じて味わうことができる。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
煮物の名物

若ごぼうの炒め煮
早春を告げる八尾の葉ごぼうを丸ごと味わう。根・軸・葉すべてが食材となり、シャキシャキとした食感とさわやかな香りが特徴の炒め煮である。

白味噌雑煮
「角が立たず円満に」という縁起を担い、丸餅と輪切りの野菜を白味噌で煮る大阪の正月名物。元旦は白味噌、二日目は醤油仕立てと味を変える「商いの街」ならではの知恵が込められている。

煮たくもじ
平安時代の宮中言葉「くもじ=漬物」を煮た郷土料理。酸っぱくなった春の漬物を捨てずに煮て食べる、食材を大切にする先人の知恵が詰まった一品である。

いとこ煮/にざい
親鸞聖人の命日に供される浄土真宗の法要料理。小豆と根菜を煮込む「いとこ煮」は、いとこのように近しい食材が集まることから名付けられたともいわれる。
岐阜県の名物

桑の木豆煮
明治・大正の養蚕業で台風から桑を守るために桑の木に絡ませた豆が名の由来。「飛騨・美濃伝統野菜」に認定される赤いかすり模様のインゲン豆を、醤油と砂糖で甘辛く煮込んだ郷土料理である。

こも豆腐
藁編みのむしろ「こも」で豆腐を包んで茹でると、表面に無数の気泡が立ち、ワラの香りと美しい模様が生まれる。飛騨のおもてなし料理として、盆や正月に振る舞われてきた。

からすみ
桃の節句に東濃の母親が作る「からすみ」は、富士山を模した山型の断面が特徴の蒸し菓子。高級珍味とは別物だが、わが子の幸せを願う名に由来する。

漬物味噌煮
鯖缶を器にした炭焼き小屋発祥の知恵料理。酸っぱく漬かりすぎた白菜を郡上味噌で煮込み、煮返しながら何日も楽しむ、飛騨の冬の味覚である。

初午だんご
繭の形をした団子「初午だんご」は、明治から昭和初期にかけての養蚕盛期、岐阜の農家が豊蚕を願って神に供えた縁起物。白川村では蚕飼祭りで「春駒踊り」とともに今も受け継がれる。

つぎ汁
「きったて」と呼ばれる専用の容器から、箸で混ぜながらお椀に次いで回る独特の供し方が名の由来。辛みと甘みが絶妙に調和した、郡上市明宝寒水地区でしか味わえない希少なお吸い物である。