
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
焼き餅は、残りご飯に小麦粉・味噌・とうもろこしなどを加えてこね、小判型に成形してフライパンやほうろくで焼いた素朴な料理である。主に栃木県の一般家庭で作られ、味噌のコクと香ばしい焼き目が特徴的な味わいを持つ。通年で食されてきたが、特に夏場にご飯が傷みやすい時期に、日持ちさせる目的で作られることも多かった。おやつや間食、ご飯の足りない時の軽食として親しまれ、具材は季節の野菜や小女子・青のり・ごまなど各家庭でアレンジされる。現代でも手軽に作れる家庭の味として、お茶うけやおやつに喜ばれ続けている。
由来・歴史
焼き餅は、おやつや間食が手作りだった時代に生まれた保存食の知恵である。元々は小麦粉と味噌のみで作り炉端で焼くシンプルなものだったが、時期により米粉も使われた。次第に季節の野菜などが具として加えられ、各家庭のオリジナルが生まれた。地域によっては蒸したり茹でたりする変形もあり、砂糖・醤油・きな粉をつけて食べる食べ方も伝承されている。
食べ方
ご飯を10分ほど水に浸して軽く水切りし、小麦粉・とうもろこし・味噌・小女子・青のり・ごまなどとよくこね、小判型に成形する。熱したフライパンに油を引き、弱火から中火で両面を焼く。具材はその時期の野菜を使うと季節感が楽しめる。通年おやつやお茶うけ、ご飯の足りない時の軽食として食される。地域や家庭により蒸したり茹でたりするアレンジもあり、砂糖・醤油・きな粉をつけて食べることもある。
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産地
餅の名物

板台餅/ばんだい餅
斧の峰で板の台の上で叩いて作ることから名付けられた、うるち米を使った栃木県日光市の餅。もち米より粘りが少なく、時間が経っても固くならないのが特徴である。

やきもち
小麦粉を丸めて焼いた「やきもち」は、群馬の粉食文化が生んだ郷土料理。囲炉裏で焼く姿は地域によって「おやき」「じり焼き」と呼び名も変わる。

飯餅
残り飯を水でといた小麦粉と混ぜて焼く、埼玉県内で呼び名が異なる農家の知恵料理。かつては田んぼまで持ち運べるお弁当代わりとして重宝された。

草餅
「草もち」は餅草(よもぎ)を練り込んだ餅で、旧暦のひな節句に欠かせない供え物として伝わる。新暦では時期が合わず、近年は和菓子店のものを用いることも多い。

ぼた餅
牡丹の花が咲く春の彼岸に名付けられた餅菓子。農家では俵型に丸めず、茶碗に盛ったご飯の上にあんを載せた簡便な形でも親しまれた。

キャベツ餅
炒めたキャベツとつきたての餅を絡める郡山・逢瀬の郷土料理。シャキシャキとやわらかい食感のコントラストが魅力で、チーズ入り春巻きなど現代のアレンジも生まれた。
栃木県の名物
ふるさと納税干瓢の卵とじ
加工に失敗したかんぴょうを惜しんで生まれた、栃木の農家の知恵料理。溶き卵と絡めた優しい味わいは、今も学校給食で親しまれる。

切干し大根の煮物
冬の空っ風と晴天を活かした乾物文化の結晶。栃木の切干し大根は、天日乾燥で旨みと栄養が凝縮され、カルシウムや鉄分が増えるヘルシー食材である。

芋ぐし/いも串
焦げた味噌だれが香ばしい「芋ぐし」は、縄文時代から続くさといもの食文化が生んだ儀礼料理。正月や稲荷社の祭りに囲炉裏を囲んで食べる風習が、那須塩原市や日光市山久保に今も残る。

どじょう汁
栃木県宇都宮周辺の夏の名物で、暑さを乗り切る精力食として親しまれた。丸ごと煮たどじょうに卵を落とし、うどんを加えて食べるのが定番である。

なすといんげんの油味噌
「天祭」に欠かせない夏の味。内陸の高温気候が育んだなすを、味噌と砂糖でからめた甘じょっぱい炒め煮は、稲の豊作を祈る男たちの手料理として親しまれた。

ちたけとなすの油炒め
裂くと乳白色の汁が染み出す「ちちたけ」の通称で呼ばれるきのこを、夏から秋のなすとともに油で炒めた郷土料理。里山の薪炭林で育まれた貴重な食材の味わいが、盆の時期の食卓を彩ってきた。