
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
草餅は、餅草(よもぎ)を米粉と練り合わせてついた緑色の餅菓子である。柔らかな新芽を摘み、重曹でゆでてアクを抜き、ミキサーで砕いて米粉の生地に練り込む。独特の香り高い味わいが特徴で、春菊の葉を代用することもできる。主に栃木県を中心とした関東地方に伝わり、餅草が芽を出す3月中旬から4月中旬が旬の時期である。旧暦のひな節句(三月節句)にひな飾りに供え、きな粉をつけて食べる風習があり、初節句を迎える女の子の無事成長を祈る行事食として親しまれてきた。家庭によっては紅白の菱餅や白酒とともに供えることもあるが、草餅だけは必ず供える家も多く、近年は新暦3月3日では餅草が手に入らないため、和菓子店で購入することも一般的となった。
由来・歴史
草餅はもともと旧暦のひな節句に食べる風習であり、新暦3月3日に行事を行うようになると餅草が手に入らないことがあった。初めての女の子が生まれ初節句を迎える家では、嫁が実家に里帰りし、婿や嫁の実家から贈られたひな人形を飾って子どもの成長を祈る。この際、紅白の菱餅や白酒を供える家もあるが、草餅だけは必ず供える伝統があった。
食べ方
柔らかいよもぎの葉を摘み、重曹を入れた湯でゆでてアクを抜き、絞ってからミキサーで砕く。米粉に熱湯を加えて耳たぶくらいの硬さにこね、すりつぶしたよもぎを入れてさらに練り、最後に丸める。ゆでたよもぎは冷凍保存も可能である。きな粉をつけて食べるのが一般的で、旧暦のひな節句にひな飾りに供えて食べる伝統がある。新暦の3月下旬から4月上旬がよもぎの新芽の旬であり、この時期ならではの香り高い味わいが楽しめる。
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産地
餅の名物

焼き餅(やきもち)
残りご飯を味噌で味付けして焼いた、栃木の素朴なおやつ。夏場の傷みやすいご飯を日持ちさせる知恵が生んだ、ほうろくの香ばしさが魅力の家庭の味である。

板台餅/ばんだい餅
斧の峰で板の台の上で叩いて作ることから名付けられた、うるち米を使った栃木県日光市の餅。もち米より粘りが少なく、時間が経っても固くならないのが特徴である。

やきもち
小麦粉を丸めて焼いた「やきもち」は、群馬の粉食文化が生んだ郷土料理。囲炉裏で焼く姿は地域によって「おやき」「じり焼き」と呼び名も変わる。

キャベツ餅
炒めたキャベツとつきたての餅を絡める郡山・逢瀬の郷土料理。シャキシャキとやわらかい食感のコントラストが魅力で、チーズ入り春巻きなど現代のアレンジも生まれた。

じゅうねんぼたもち
「十年長生き」の願いを込めた福島の縁起菓子。えごまを「じゅうねん」と呼び、煎って砂糖で味付けしたものをもち米に絡める独特のぼたもちである。
栃木県の名物

白あえ
葬式では赤い食材を避けるという暗黙のルールを持つ、豆腐をすりつぶして野菜と和える栃木の伝統料理。かつては山間地で貴重なタンパク源だった豆腐を、ハレの日にふんだんに使った名残である。

ちたけとなすの油炒め
裂くと乳白色の汁が染み出す「ちちたけ」の通称で呼ばれるきのこを、夏から秋のなすとともに油で炒めた郷土料理。里山の薪炭林で育まれた貴重な食材の味わいが、盆の時期の食卓を彩ってきた。

なすといんげんの油味噌
「天祭」に欠かせない夏の味。内陸の高温気候が育んだなすを、味噌と砂糖でからめた甘じょっぱい炒め煮は、稲の豊作を祈る男たちの手料理として親しまれた。

えび大根
川エビと大根の赤白配色が縁起物とされ、水神祭の祝いの席に欠かせない冬のごちそう。笹を束ねて誘い込む伝統的な漁法「笹エビ」で獲った新鮮な川エビを、とろけるほど柔らかく煮付ける。

鮎めし
「西の四万十川、東の那珂川」と謳われる清流の恵み。素焼きの鮎を丸ごと炊き込み、頭と骨を取ってほぐした身をご飯と絡める、内陸の貴重なたんぱく源を味わう郷土料理である。

ぼた餅
牡丹の花が咲く春の彼岸に名付けられた餅菓子。農家では俵型に丸めず、茶碗に盛ったご飯の上にあんを載せた簡便な形でも親しまれた。