
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
じゅうねんぼたもちは、もち米を食べやすい大きさに丸め、煎って砂糖で味付けしたじゅうねん(えごま)を絡めた郷土菓子である。通常あんこやきなこで包むぼたもちを、香り高いじゅうねんで作るのが特徴で、煎った黒種の風味が豊かに際立つ。福島県は明治時代以前からのえごま名産地で、標高の高い山間部では胡麻の栽培が難しく、代わりにじゅうねんが広く栽培されてきた。通年食べられるが、種まきから収穫までの工程を経た保存食として、おやつや来客時のもてなしとして供される。家庭ではフライパンで煎る際の加熱加減や、すり鉢で30分ほど粘りが出るまですり込むかどうかで、味わいに差が生じる。
由来・歴史
福島県のえごま栽培は明治時代よりも前に遡り、県内では「じゅうねん」と呼ばれる。名の由来は二説あり、食べると十年長生きするとの言い伝えと、種子が十年経っても芽を出す耐久性からとされる。いわき市には「白蛇のたたり」の民話があり、「胡麻は作らないために、じゅうねんの栽培が盛んになった」と伝えられ、実際に標高の高い山間部では胡麻に代わってじゅうねんが定着した。
食べ方
黒種のじゅうねんをフライパンで軽く煎り、すり鉢で30分ほど粘りが出るまですり、塩と砂糖で味付けする。フライパンは動かしながら加熱し、2粒ほどがぷちぷちと跳ね始めたら火を止めるのが焦げ防止のポイント。このじゅうねんをもち米に絡めて食べる。通年食べられるが、収穫後に乾燥させて保存するため、年間を通じておやつや来客時のもてなしとして供される。
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産地
餅の名物

キャベツ餅
炒めたキャベツとつきたての餅を絡める郡山・逢瀬の郷土料理。シャキシャキとやわらかい食感のコントラストが魅力で、チーズ入り春巻きなど現代のアレンジも生まれた。

ぼた餅
牡丹の花が咲く春の彼岸に名付けられた餅菓子。農家では俵型に丸めず、茶碗に盛ったご飯の上にあんを載せた簡便な形でも親しまれた。

草餅
「草もち」は餅草(よもぎ)を練り込んだ餅で、旧暦のひな節句に欠かせない供え物として伝わる。新暦では時期が合わず、近年は和菓子店のものを用いることも多い。

大根もち
鬼おろしにした会津赤筋大根の風味をしっかり味わえる、お好み焼き風の郷土料理。皮に赤い筋が入る伝統野菜をすりおろして焼き上げる。

干し餅
別名「凍り餅」とも呼ばれる寒締めの米菓子。天候を見極めながら作る農家ならではの知恵が、さくさくとした歯ごたえと素朴な味わいを生み出している。

伝統餅料理
年間60回以上も餅を食べる「餅暦」が存在する。納豆やホヤ、チーズやカレーまで約300通りの食べ方が生まれた、一関ならではの餅文化である。
福島県の名物

しんごろう
餅を食べられなかった若者「しんごろう」が考案したという由来を持つ、福島県会津の郷土料理。ご飯をつぶして丸め、えごまの味噌を塗って焼く素朴な味わいが特徴。

鯉こく
出産後の母乳を願って作られる、福島・郡山の鯉の味噌汁。猪苗代湖のミネラル豊かな水で育った鯉は臭みなく、生姜を効かせた一杯は体を温める滋養食である。

馬刺し
戊辰戦争の負傷者に食べさせたのが始まりの馬肉が、人気プロレスラーの生食で「馬刺し」へと変貌。会津若松では「刺身」と言えばこの馬刺しを指すほど定着している。

こづゆ
「こじゅうのつゆ」がなまって生まれた名前の、会津塗の赤い「手塩皿」に盛りつけられる祝いの汁物。貝柱のだしで山と海の幸を煮込み、婚礼などの席で何杯でもおかわりして楽しまれた。

凍豆腐の卵とじ
「吾妻おろし」の寒風で豆腐を凍らせる福島の伝統技法。凍豆腐と地元の「信夫菜」を卵でとじた、冬の味覚の知恵が詰まった一皿。

鯉のあらい
明治に完成した安積疏水の余剰溜め池で始まった郡山の鯉養殖。猪苗代湖の豊富なミネラルで育ち臭みが少ない鯉を、加熱せずそのまま味わう贅沢な一皿。