
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ぼうたら煮は、棒鱈を数日から一週間かけて水戻しし、醤油・砂糖・酒で5時間ほど煮込むことを数回繰り返して作る甘辛い煮物である。内陸の会津若松は新鮮な魚介を得にくく、乾燥加工した海産物が重宝された土地であり、特に長い冬のたんぱく源として棒鱈が欠かせなかった。正月のおせちや祭り・祝い事の際に振る舞われ、店先に棒鱴がつるされる風景は会津の冬の風物詩であった。家庭によって煮込みの回数や味付けの濃さに違いがあり、現代でも手間をかけて作る特別な日の料理として受け継がれている。
由来・歴史
内陸の会津若松は新鮮な魚介を手に入れにくく、乾燥させて保存できるにしんや棒鱈、貝柱などがよく食べられていた。特に寒い冬が長いこの地では、鱈を干物にした棒鱈が貴重なたんぱく源であった。かちかちに硬い棒鱈を何日も水に浸し、さらに数日煮込む手間暇をかけた料理が「ぼうたら煮」となり、特別な日の一品として発展した。
食べ方
棒鱈は数日水に浸した後、何度か煮て一週間ほどかけて戻す。食べやすい大きさに切り、醤油・砂糖・水・酒とともに鍋で5時間ほど煮込むのを数回繰り返す。この長期間の調理で硬い棒鱈がやわらかくなり、うまみを吸っておいしくなる。正月のおせちや祭り・祝い事の際に食べられる。
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産地
煮物の名物

鯉の甘露煮
明治時代に士族が始めた養殖が発展し、蚕のさなぎをエサに育てた臭みの少ない鯉を、甘辛く煮込んだ名物料理。一晩寝かせることで味がさらに染み込む。

モロの煮付
海のない栃木県で親しまれる「モロ」は、尿酸を蓄えるサメの特性を活かし内陸部に届いた貴重な海の幸。醤油と砂糖でやわらかく煮付けた家庭の味は、今もスーパーで気軽に手に入る。

あいその甘露煮
春先の産卵期に赤い縞模様を帯びたウグイを「あいそ」と呼び、内陸の栃木で貴重なたんぱく源として親しまれた川魚の甘露煮。骨まで柔らかく煮込む伝統の味は、冷蔵庫普及以前の暮らしの知恵が詰まっている。

つゆ煮しめ
わらで包んだ「つと豆腐」が決め手の南会津の郷土料理。冷蔵庫のない時代に生まれた保存食が、冠婚葬祭のご馳走として今も受け継がれる。

かすべ煮
冷めても美味しく傷みにくいことから、魚の少ない夏の貴重なごちそうとなったエイの煮物。土崎港曳山まつりでは「かすべ祭り」の通称で親しまれ、各家庭が代々伝える伝統の味を来客に振る舞う。
福島県の名物

はっとう
「ご法度」の粉食をこっそり食べたことが名前の由来ともいわれる、檜枝岐村の菱形の麺料理。もち米粉とそば粉を練り、じゅうねんをまぶして味わう。

えご
江戸時代後期に新潟から酒の肴として持ち込まれた寒天のような海藻ゼリー。地元では「いご」と呼ばれ、仏事の精進料理として欠かせない一品である。

じゅうねん冷やだれ
えごまの種が「十年」保存できることに由来する「じゅうねん」を使った、福島の夏の名物。炒り潰したえごまの香り豊かなたれに、冷たいうどんをつけて食べる。

打ち豆と切り昆布の煮物
福島の豪雪地帯で生まれた知恵の結晶。青大豆をつぶして乾燥させた「打ち豆」と、細かく切った昆布を煮込んだ冬の保存食は、かつてお盆や法事の饗応料理として振る舞われた。

馬刺し
戊辰戦争の負傷者に食べさせたのが始まりの馬肉が、人気プロレスラーの生食で「馬刺し」へと変貌。会津若松では「刺身」と言えばこの馬刺しを指すほど定着している。

鯉こく
出産後の母乳を願って作られる、福島・郡山の鯉の味噌汁。猪苗代湖のミネラル豊かな水で育った鯉は臭みなく、生姜を効かせた一杯は体を温める滋養食である。