
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
たけのこ山椒煮は、島根県東部の島田地区特産「島田たけのこ」をカツオ出汁と薄口醤油、酒、みりんで煮込み、実山椒をアクセントに加えた煮物料理である。島田地区は山に囲まれ米作に不向きな土地柄で、弘化3年(1846年)に安松市郎兵衛が孟宗竹を移竹して始まったたけのこ栽培が特産として定着した。4月ごろから6月にかけて出荷ピークを迎え、地元では自宅の庭や近隣の竹林でたけのこ掘りをする人も多い。家庭では「土佐煮」風のシンプルな煮方もあり、水煮を使って手間を省くこともできる。
由来・歴史
島田地区は山に囲まれ米が十分に収穫できない地域だった。弘化3年(1846年)、安松市郎兵衛が山林を開墾し、清水寺の孟宗竹を移竹して母竹を増やした。粘土質の赤土が成長を促し、市郎兵衛のたけのこはすくすく成長。栽培は周辺農家にも波及し、「島田たけのこ」は特産品として不動の地位を確立した。昭和50年ごろは1シーズンに700トン~800トン収穫したが、農家の後継者不足で現在は数十トンに減少している。
食べ方
カツオ出汁、薄口醤油、酒、みりんを合わせた煮汁でたけのこを煮込み、実山椒をアクセントに加える。カツオ節をこし布に入れて追いガツオすると風味が高まる。「土佐煮」のようにカツオ節を加えた煮汁でシンプルに調理してもよい。4月ごろから6月にかけて島田たけのこが出荷のピークを迎え、この時期に食卓に上がる。たけのこの下処理は手間がかかるため、水煮を使って調理することもある。
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産地
煮物の名物

鳥もつ煮
捨てられていた鳥の内臓が、貴重な醤油と砂糖で生まれ変わった戦後のソウルフード。強火短時間の照り煮で旨味を閉じ込める独特の技法が、甲府市民に長く愛され続けている。

うどと凍み大根のどんころ煮
「どんころ」とは丸太のこと。うどを切った断面が丸太に似ていることから名付けられた、海の幸・山の幸が調和する山形の春の味。凍み大根と身欠きニシンをじっくり煮込む郷土料理である。

鯛蕪/聖護院かぶと鯛の煮物
「であいもん」と呼ばれる縁起物の煮物。タイと聖護院かぶの意外な組み合わせは、享保年間から続く京の冬の風物詩である。

ししゃもの甘露煮
アイヌの神話に由来する「柳葉魚」の名を持つシシャモを、骨まで柔らかく煮込んだ北海道の保存食。晩秋の鵡川町ではすだれ干しが風物詩となる。
島根県の名物

トビウオの刺身
水面を十数メートル滑空する魚を「アゴすくい」で捕獲する伝統漁法。県魚に指定されたトビウオは、初夏の旬に淡白な身と珍重される魚卵「アゴの子」で食卓を彩る。

つみれ煮
「サンマにも引けをとらない」と地元民が絶賛する沖ギスのつみれ煮。白身でクセがない沖ギスは、小骨も気にならないようミンチにして、ごぼうやねぎと共に煮込まれる。値段が手ごろなため、島根の家庭で日常的に親しまれてきた郷土料理である。

うなぎ豆腐
江戸時代、20~30人の輸送団が中国山地を越え大阪へ届けた「出雲産うなぎ」がルーツ。うなぎの脂と出汁が豆腐に染み込む、宍道湖周辺の冬の味覚である。

スズキの奉書焼き
江戸時代、松江藩主が灰だらけの蒸し焼きを「奉書に包んで」所望したことが名前の由来。宍道湖のスズキを和紙に包み蒸し焼きにする、格式高い郷土料理である。

すもじ
「生き腐れ」と呼ばれる傷みやすいサバを、内陸まで運ぶ知恵として生まれた焼きサバのちらし寿司。交通の要衝・雲南市で名物となった、海と山を結ぶ食文化である。

すまし雑煮
白い丸餅は正月三が日まで、四日目からはよもぎ入りのてんこ餅に替わるという古い習わしを持つ雑煮。出雲では朝廷献上の十六島のりを具に使い、磯の風味を堪能する。