
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
筋肉質で脂肪の少ない淡白な身が特徴の白身魚で、刺身や焼き魚、つみれ汁など多様な調理法で楽しまれる。主に島根県沿岸で漁獲され、ホソトビウオとツクシトビウオが代表的な種類である。毎年初夏、産卵のため沿岸に回遊する5月から8月が旬であり、この時期に家庭や地元飲食店で各種料理が振る舞われる。家庭ごとに「あご野焼」などの加工品製造が盛んで、松江藩七代藩主・松平治郷による命名の逸話も残る。現代では県魚として親しまれ、出汁用の煮干しや高値で取引される魚卵「アゴの子」など、余すところなく活用される。
由来・歴史
島根県はトビウオの漁獲量が多く、地元では「アゴ」と呼ばれ親しまれてきた。夜間に船上で強い照明を灯し、飛び込んでくる魚を大きな網で捕獲する「アゴすくい」という独特の漁法が伝わる。水面を飛び出す姿が飛躍・躍進を象徴することから、1989年に県魚に指定された。
食べ方
鮮度の良いものは刺身として、また焼き魚やつみれ汁として食べる。長いエラやヒレ、うろこを取り除いて調理し、出汁もよく取れるため煮干しとしても活用される。6月から8月の産卵シーズンが旬で、この時期に家庭や飲食店で各種料理が供される。すり身をちくわ状に焼いた「あご野焼」は、かまぼこのような食感で名産となっている。
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産地
島根県の名物

つみれ煮
「サンマにも引けをとらない」と地元民が絶賛する沖ギスのつみれ煮。白身でクセがない沖ギスは、小骨も気にならないようミンチにして、ごぼうやねぎと共に煮込まれる。値段が手ごろなため、島根の家庭で日常的に親しまれてきた郷土料理である。

うなぎ豆腐
江戸時代、20~30人の輸送団が中国山地を越え大阪へ届けた「出雲産うなぎ」がルーツ。うなぎの脂と出汁が豆腐に染み込む、宍道湖周辺の冬の味覚である。

うずめ飯
ごはんの下にタイや野菜が隠れた「うずめ飯」。江戸時代、質素倹約を装うため具材を隠したという説があり、提供時に伏し目がちにする習わしも残る。昭和14年には「日本五大名飯」に選定された名物料理である。

たけのこ山椒煮
長さ1mを超える金棒で掘る「島田たけのこ」は、粘土質の赤土で育ち肉質が柔らかい。山椒の香りが効いた煮物は、春の味覚として地元で親しまれる。

スズキの奉書焼き
江戸時代、松江藩主が灰だらけの蒸し焼きを「奉書に包んで」所望したことが名前の由来。宍道湖のスズキを和紙に包み蒸し焼きにする、格式高い郷土料理である。

すもじ
「生き腐れ」と呼ばれる傷みやすいサバを、内陸まで運ぶ知恵として生まれた焼きサバのちらし寿司。交通の要衝・雲南市で名物となった、海と山を結ぶ食文化である。