
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
とうきびめしは、乾燥させたとうきびの実を踏臼で踏いたひき割りを、米に1〜2割混ぜて塩で炊き上げた雑穀飯である。炊きたては黄金色に輝き、とうきびの香ばしさと甘みが特徴的な味わいとなる。主な伝承地域は宮崎県の高千穂町、五ケ瀬町、日之影町など高千穂地方で、山々に囲まれたこの地は古くからとうきび栽培が盛んであり、大正時代には雑穀作付面積の6割を占める主要作物であった。食習の機面では、麦飯だけでは物足りない農村の日常食として親しまれ、冷めると美味しくないため昼と夜の分は熱いうちに握り飯にし、囲炉裏で焼いて食べるのが一般的であった。家庭ごとには「最初から米と炊く」派と「とうきびをゆがいてから加える」派の違いがあり、現代では郷土の味として観光客にも知られるふるさとの味となっている。
由来・歴史
とうきびめしは、かつて高千穂地方で麦飯と並ぶ主食であった。夏に播種し秋に収穫したとうきびは、馬小屋の軒下に吊して寒風に当て、旨味を蓄えながら乾燥させた。これを踏臼で踏んだひき割りを米に混ぜて炊く技法は、米が貴重だった時代に「割りとうきび」として米のかさを増し、人々の腹を満たす知恵であった。大正時代には雑穀の作付面積の6割を占め、食糧や家畜飼料として広く利用されていた。「とうきびごはん」とも呼ばれる。
食べ方
米に1割か2割の乾燥とうきびのひき割りを混ぜ、水加減を少し多めにし塩で炊く。炊き方には最初から米と一緒に炊く方法と、とうきびをゆがいておいてから加える方法がある。北海道のとうきびめしとは異なりバターは入らない。炊きたてはそのまま食べるが、冷めると美味しくないため、昼と夜の分は熱いうちに握り飯にしておき、日常的には囲炉裏で焼いて食べるのが伝統的な食べ方である。
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産地
宮崎県の名物

つわぶきの油炒め
日南地方で「毒消し」として伝えられたつわぶきを、大正時代には北九州の炭鉱夫へも出荷。春の旬を迎える常緑の山菜を、油揚げとともに醤油で炒めた宮崎の庶民料理である。

ざぶ汁
「ざぶざぶ」と食材を煮る音が名前の由来。宮崎県都農町に伝わる、手軽な根菜の煮物で、家庭ごとに具材を変えて親しまれている。

歳とり膳/年取り膳/年越し料理
大晦日の夜、家族揃って「歳を一つ取る」ことを祝う豪華な膳。旧暦の日没から始まる新年を、高膳に盛られた縁起物と共に迎える古い風習である。

とりめし
稲刈りの合間に田んぼの畔で食べた「とりめし」のおむすび。宮崎県はブロイラー飼養羽数全国1位の鶏肉王国であり、農家飯から生まれた庶民の味は、ご当地グルメコンテスト優勝で脚光を浴びた。

酢のしゅい
「しゅい」は「汁」の意。江戸時代から広まった米酢を使い、おろし大根とイワシを煮た温かい酢の汁物。冷たいなますとは対照的に、寒い日の体を温める知恵が詰まった宮崎の郷土料理である。

そまげ
「そまげ」の名は「そばのおかゆ」に由来し、椎葉村では煮干し出汁の野菜汁でそば粉を練り上げる。固くなったら囲炉裏で焼く食べ方も、山の知恵が息づく。