
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
里芋を必ず入れた汁物料理で、人参・ごぼう・大根などの根菜類とこんにゃく・油揚げ・ちくわ・かまぼこなどを煮込む。伊賀地域は三重県で唯一海に面さないため魚料理に恵まれず、大豆加工品や魚肉加工品を贅沢に使うのが特徴である。冬の里芋収穫期に合わせて食べられ、家庭の定番として「今夜はのっぺいにしようか」と自然に口に出るほど親しまれてきた。作り始めは具だくさんの汁物だが、毎日温め直すうちに煮詰まり、最後は煮物風になる。家庭ごとに入れる食材が異なり、京文化の影響で味や色は極めて淡く仕上げる。
由来・歴史
「のっぺい」の名は1643年発行の料理書『料理物語』に「のっぺいとう」として登場し、うどんの粉でとろみをつける炒りどりのような料理であった。伊賀では1694年、松尾芭蕉が門人を招いた「月見の会」の献立に「麩ののっぺい」が記され、現在も復元が試みられている。かつては地域の祭りや祝い事、法事・葬式の精進落としなど、事あるごとに作られた。
食べ方
根菜類はそれぞれ下処理して大きさをそろえ、里芋のとろみで冷えにくい汁に仕上げる。一度に大量に作り、毎日火を入れて温め直すうちに煮詰まり、初めは汁物料理、最後は煮物のように変化して食べる。冬の家庭料理として定着しており、献立に困った際の定番選択肢となっている。
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産地
三重県の名物

落花生の煮豆
東紀州では正月の黒豆代わりに落花生の煮豆が供される。日照豊かな土地で育った落花生を、だし汁と醤油でじっくり煮込んだ栄養満点の郷土料理である。

魚のじふ/魚のすき焼き
熊野灘の漁師たちが「今夜はじふにしようか」と気軽に口にする、背青魚をふんだんに使った鍋料理。尾鷲市が郷土料理として定着させ、東紀州南部では「魚のじふ鍋」と呼ばれる。

魚のたたき/なめろう
「なめろう」は黒潮の海の道を伝って房総から入った呼称で、志摩の一部にだけ残る謎の名称。熊野灘の漁師が船でとれたてをさらに美味しく食べるために生み出した、骨までドロドロにたたく豪快な鮮魚料理である。

なれずし
「馴れる、熟れる」ことから名付けられた発酵寿司で、三重県では「なまなれ」として飯も一緒に食べる。東紀州では正月に親戚や友人に「やりずし」として配る習慣があり、早く食べきるための心遣いが込められている。

ないしょ餅/なべ餅
杵と臼を使わず鍋の中でこっそりつくる「ないしょ餅」。隣近所に聞こえないようにペッタンペッタンと音を立てずに作ることから、家族だけで内緒で食べる楽しさが名前の由来となった。

まんぼう酢味噌あえ
「海ののんき者」と呼ばれるマンボウは、江戸時代からの珍味。熊野灘沿岸では冬の定置網で水揚げされ、酢味噌和えや肝入り味噌和えで親しまれる。