
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
かきまぜは、炊いた米に魚の酢漬けと5〜7種類の具材を合わせ酢で切るように混ぜる五目ずしである。東紀州食文化圏の熊野市、御浜町、紀宝町周辺に伝承され、紀伊半島の山と海の幸を組み合わせた味わいが特徴。冠婚葬祭などの「ハレ食」として重んじられ、人が集まる機会やスーパーには並ばない山菜・蓮芋のずいきなどの珍しい食材が手に入った際にも作られる。四季で具材を変え春は山菜、夏は塩もみしたトイモを加えるなど、年中飽きのこない工夫が施され、各家庭で味付けが異なる点も魅力である。
由来・歴史
かきまぜは五目ずし(混ぜずし)の東紀州南部独特の呼び方で、おまぜ・かきまぜずしなどとも称される。二百十日(9月1日頃)の町内会出会いでは、作業後の慰労として振る舞われたが、この際は手を付けず蓮芋の葉で包んで持ち帰り、待ち構える子どもたちが大喜びしたという。祝い事にはマグロ(シビ)をおろして酢漬けにし、サンマは焼いて身をほぐして用いる。熊野市金山町には大根を主とする「大根すし」もあり、隣接する和歌山県とも「かきまぜずし」という食文化を共有する。
食べ方
炊いたごはんを蒸らし、魚の酢漬けと合わせ酢を加えて切るように混ぜる。具材は奇数で揃え、細かく刻んであらかじめ煮込み醤油と砂糖で味付けする。いずれの場合も魚の酢漬けは必須で、春は山菜、夏は塩もみしたトイモ(蓮芋のずいき)など季節の素材を加える。青葉に包んで食べることもあり、冠婚葬祭や人寄せごと、珍しい食材が手に入った際に作られ、各家庭の味の違いを楽しむ食習慣が続いている。
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産地
三重県の名物

こけらずし
「こけら落とし」の席に出されたことや、こけらぶきの屋根のように具材をずらし重ねる盛り付けが名前の由来。東紀州の豊かなひのき木材で作られた押し型が発達し、3〜5段に重ねた美しい層が特徴の祝い料理である。

こうなごのくぎ煮
錆びた釘に似た細長い姿から「くぎ煮」と名付けられた三重県の佃煮。伊勢湾の春の風物詩として親しまれてきたが、資源保護のため近年は禁漁となり、回復を待つ状態にある。

きゅうりの冷や汁
伊賀盆地の蒸し暑さを乗り切る知恵が生んだ、きゅうりと味噌の冷製汁物。全国の冷や汁とは異なり、三重県ではご飯にかけず汁物として楽しむのが特徴である。

いわしずし
「祭りずし」とも呼ばれる三重県の秋祭りの名物。木枠で押し固めたイワシと酢飯は、余ればお土産に持ち帰るほどのごちそうであった。海から遠い内陸部ではイワシ自体が珍しい食材だった。

伊勢うどん
昭和47年に名前が決まった「新しい郷土料理」。太く柔らかい麺に黒いたまり醤油のつゆを絡め、伊勢市民のソウルフードとして親しまれている。

いばら餅
「柏餅の原型」という説もある三重の初夏の郷土菓子。サルトリイバラの葉が餅にうつす爽やかな香りが身上で、5月の節句や田植え終わりの祝い「野上り」に振る舞われてきた。