
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大根と人参を塩でもみ、しぼって水気を切ったものに砂糖と酢で味付けし、食べる直前に干し柿を細かく割いて混ぜ合わせる酢の物である。岐阜県は全国有数の柿の産地で、富有柿の発祥地であり、1000年以上の歴史を持つ堂上蜂屋柿や連柿、伊自良大実柿など渋柿の干し柿も名産として知られる。主に中濃・岐阜・西濃の各地域に伝承され、地域によっては正月料理に欠かせない一品となっている。新鮮な野菜や果物が乏しい冬の時期に、貴重なビタミン補給の手段として重宝された。現代では家庭ごとに干し柿の種類や割り方、酢の配合に違いがあり、郷土の知恵が受け継がれている。
由来・歴史
岐阜県は甘柿では「富有柿」の発祥地、渋柿では朝廷や幕府に献上された歴史を持つ「堂上蜂屋柿」など、収穫量と品質に定評がある全国有数の柿の産地である。この豊かな柿の文化から、干し柿を酢の物に加える「柿なます」が生まれた。地域によっては正月料理として定着し、新年の食卓を彩る伝統的な一品となった。
食べ方
大根と人参は塩でもみしぼり、水気を十分に切ってから砂糖と酢で和える。食べる少し前に干し柿を細かく割いて加え、シャキシャキの野菜ともちもちの干し柿の食感の対比を楽しむ。11月上旬に収穫した渋柿を約1カ月干して作る干し柿を使い、冬の栄養補給や正月の食卓に供される。
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産地
岐阜県の名物

赤だつの酢ぶて
「だつ」とは里芋の葉柄(ずいき)のこと。山県市周辺では鮮やかな赤紫色の八つ頭のだつを「赤だつ」と呼び、産婦の体力回復を願って古くから食べられてきた。

千石豆のかきまわし
「かきまわし」は混ぜご飯をかき回す様子から名付けられた岐阜市の郷土料理。明治から続く希少な「千石豆」の独特な香りと風味が、親戚が集まる席を賑わせてきた。

つぎ汁
「きったて」と呼ばれる専用の容器から、箸で混ぜながらお椀に次いで回る独特の供し方が名の由来。辛みと甘みが絶妙に調和した、郡上市明宝寒水地区でしか味わえない希少なお吸い物である。

赤かぶ漬け
江戸時代から続く塩節約の知恵が生んだ、発酵で白い身が紅く染まる漬物。飛騨の初冬、川で野菜を洗う「菜洗い」の風物詩とともに受け継がれる。

鶏ちゃん
豚のホルモン焼き「トンチャン」になぞらえて名付けられた、岐阜県飛騨地方の鶏肉炒め。1950年代にジンギスカンを参考に生まれ、各家庭の秘伝のタレが受け継がれている。

煮たくもじ
平安時代の宮中言葉「くもじ=漬物」を煮た郷土料理。酸っぱくなった春の漬物を捨てずに煮て食べる、食材を大切にする先人の知恵が詰まった一品である。