
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
つとっこは、もち米と小豆を栃の葉で包み、わらひもで縛って炊いた蒸し餅状の郷土料理である。葉の香りが移り、もちもちとした食感とほのかな甘みが特徴的である。主に埼玉県秩父地域で伝承され、山間部の農村地帯で栃の葉が豊富に採れる環境が背景にある。新緑の5月の節句に行事食として作られ、農繁期の昼食や子どものおやつとしても食べられてきた。家庭によりもち米とうるち米を半々にしたり、きびなどの雑穀を加えたりとアレンジが見られ、現在も秩父の郷土食として親しまれている。
由来・歴史
つとっこは古くは武士が戦場へ携行した携帯食であり、穀物を葉に包み食べる直前に蒸して食べられていた。昭和初期には野良仕事の昼食や子どものおやつとして定着し、青々とした栃の葉が手に入る5月の節句の行事食としての役割を担うようになった。
食べ方
もち米は一晩水に浸し、小豆は崩れない程度に煮ておく。水気を切ったもち米と小豆を混ぜ、重ねた栃の葉の上に置いて包み、わらで縛る。鍋に平らに並べ、かぶるくらいの水を加え、指で押してやわらかくなるまで約45分煮る。5月の節句に新緑の栃の葉を使って作られ、農繁期の保存食としても重宝された。もち米とうるち米を半々にしたり、きびなどの雑穀を加えたりする家庭もある。
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産地
埼玉県の名物

おなめ
麦こうじと大豆を発酵させた「おなめ」は、半年以上日持ちする保存食として秩父地域で愛されてきた。塩気の強い味わいが夏の食欲をそそる、ご飯のお供の定番である。

どじょう煮
田んぼのじょうを手ですくって捕獲し、丸ごと煮付けた滋養強壮の味。骨も頭も食べられる「丸鍋」は、埼玉県東部の川の恵みを丸ごと味わう知恵である。

くわいの含め煮
慈母が乳を授ける姿に似た芽の形から「子孫繁栄」の縁起物とされ、お正月のおせちに欠かせない「くわいの含め煮」。くちなしの実で鮮やかな黄色に染める埼玉の伝統料理である。

たらし焼き
生地をたらして焼くことから名付けられた埼玉の小昼飯。うどんほど手間がかからず、畑仕事の合間に重宝された小麦粉のおやつである。

八ツ頭の茎の炒め煮
「血の道の薬」と呼ばれた八ツ頭の茎は、干して保存した「芋がら」を炒め煮にした埼玉の知恵料理。ごはんのおかずにも酒のつまみにもなるしっかりとした味わいが特徴である。

飯餅
残り飯を水でといた小麦粉と混ぜて焼く、埼玉県内で呼び名が異なる農家の知恵料理。かつては田んぼまで持ち運べるお弁当代わりとして重宝された。