
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
鮭の頭に含まれる軟骨「氷頭」を薄くスライスし、塩で締めて酢に浸した酢の物である。三陸沿岸地域と県央地域に伝わり、岩手県は秋鮭の水揚げが本州トップクラスで、特に津軽石川は鮭の遡上する清流として知られる。正月料理に欠かせない一品として重宝され、鮭が獲れる時期には酒の肴やおもてなし料理としても楽しまれる。家庭によっては新巻鮭や塩鮭の頭を塩抜きして用いることもあり、氷頭を取った後の頭は大豆や昆布と煮たり、なますやあら汁にしたりと余すところなく調理する。現代では「県の魚」に制定された鮭の食文化を象徴する料理として、自然への敬意を感じ取ることができる。
由来・歴史
「氷頭」は鮭の頭の軟骨を指し、平安時代前期の律令書「延喜式」(926年)に朝廷へ奉納された記述があるほど古くから食されている。江戸時代には南部藩の重要な財源であった鮭は、現在も「県の魚」として県民に親しまれている。三陸沿岸で獲られる雄鮭は産卵期に口先が曲がり「南部鼻曲がり鮭」と呼ばれる。
食べ方
生鮭の氷頭を薄くスライスし、塩でしばらく置いた後、酢で締めて大根やにんじんのなますと合わせる。三陸沿岸地域では鮭のいくらを乗せて華やかに仕立てることもある。正月料理として定着しており、鮭が獲れる時期には酒の肴や客のもてなしに供される。生鮭のほか、新巻鮭や塩鮭の頭を塩抜きして用いることも可能で、こりこりとした歯ごたえが特徴である。
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産地
岩手県の名物

いもの子汁
秋の北上川流域で「芋煮会」「いもの子会」と呼ばれる集いの中心となる汁物。皮をこそぐようにむいた「二子さといも」のみで作る地域もあり、さといも本来の味わいを楽しむ食文化が残る。

へっちょこだんご/うきうきだんご
「へっちょこ」の名は、1年の農作業で「へっちょ(苦労)」した自分をねぎらう意味に由来する。煮えるとだんごが浮き上がる様子から「うきうきだんご」とも呼ばれる。

かまもち
半月状の形が鎌に似ることから名付けられた、岩手県の小麦粉菓子。味噌と黒砂糖、くるみのあんを包み、農作業の小昼に気軽に食べられてきた。地域により「ひゅうず」「かまだんご」など呼び名が異なる。

お茶もち
軍配うちわに似た形から「うちわ餅」がなまって「お茶もち」と呼ばれるようになった。うるち米粉の団子にくるみだれを塗して焼く、盛岡市民に長く愛される餅菓子である。

煮しめ
身欠きにしんやぜんまい一本煮など、内陸と沿岸で具材が異なる岩手の「煮しめ」。冠婚葬祭や正月に欠かせない集まりの味である。

ひっつみ/ひっつみ汁
「手でちぎる」という方言「ひっつまむ」が名前の由来。小麦粉を手でちぎって煮る、岩手県央の「しとねもの」文化が生んだ、冷害に備えた知恵の料理である。