
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
「つけあげ」は魚のすり身に木綿豆腐、地酒、砂糖、薩摩芋でんぷんを混ぜ、油で揚げた練り物である。アジ、サバ、トビウオを主原料とし、エソやハモなどの上物も使われる。甘口に仕上げるのが鹿児島流の特徴で、みりん代わりに使われる「灰持酒(あくもちざけ)」が魚の旨味を引き立てる。高温多湿で清酒造りに不向きな鹿児島の気候風土から、保存性の高い揚げ物として発展した。年間を通して食卓に並び、おかずや酒の肴として親しまれるほか、野菜炒めや卵とじの具材としても幅広く利用される。家庭ごとに人参やごぼう、れんこんなどの野菜を加えたアレンジも存在する。
由来・歴史
「つけあげ」の名の由来には諸説ある。一つは江戸時代、薩摩藩28代当主・島津斉彬が紀州はんぺんやかまぼこにヒントを得て、鹿児島の気候に合わせ保存性を高めた揚げ物を考案したという説。もう一つは琉球料理の揚げかまぼこ「チキアーギ」がなまって「つけあげ」となったという説である。使用する「灰持酒(黒酒)」は、清酒のもろみに灰汁を加えて絞ったもので、火入れをしないためアミノ酸が豊富に残る。これは「酒ずし」にも使われ、おとそとしても飲まれる伝統的な酒である。
食べ方
魚の身をすりつぶし、水切り豆腐、卵、薩摩芋でんぷん、砂糖、灰持酒を加えて練り、塩で味を調える。棒状・角型・小判型などに成形し、160℃程度の油で表面が黄金色になるまで揚げる。人参、ごぼう、れんこんなど好みの野菜を混ぜ込むと食感の変化が楽しめる。特に時期を問わず年間を通して食べられ、おかずの一品、酒の肴、野菜炒めや卵とじの具材など多様な形で活用される。
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産地
鹿児島県の名物

鶏刺し
江戸時代の闘鶏文化が生んだ日本屈指の鶏肉生食文化。薩摩地鶏の弾力ある肉質を、醤油と薬味で味わう鹿児島の名物料理である。

豚骨
西郷隆盛も愛した薩摩武士の野外料理がルーツ。豚骨を焼酎で炒り、黒砂糖と麦味噌で煮込む鹿児島の味噌煮込み鍋。

白熊
上から見た色とりどりのトッピングが白熊に似たことから名付けられた、鹿児島発祥のかき氷。昭和20年代に創業した老舗飲食店が生み出した、練乳と果物が彩る夏の風物詩である。
ふるさと納税さつますもじ
宮中の女房言葉に由来する「すもじ」の一種で、鹿児島の庶民が季節の野菜と地酒で手際よく混ぜる豪快なちらしずし。殿様の「酒ずし」と対をなす祝いの食文化である。

さつま汁
闘鶏で負けた鶏をその場で調理したのが始まりという、鹿児島の武士の食文化が息づく具だくさんの味噌汁。鶏の出汁が染み出した滋味深い一杯は、今も冬の定番として親しまれている。

さつまえび雑煮
椀からはみ出るほどの大きな焼きエビが豪快に載る正月の雑煮。薩摩藩主・島津家に献上されていた出水沖の焼きエビが、庶民の祝い膳へと広まった歴史を持つ。