
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
「たらの子つけ」は、新鮮なマダラの刺身に、酒と塩でうす味に味つけした真子(タラの子)のいり煮をまぶした郷土料理である。能登地域と金沢市周辺で主に伝承され、特に七尾湾の入り組んだ地形が産卵期のタラの良漁をもたらした漁業地帯で発達した。旧正月の2月11日に行われる起舟祭(きしゅうさい)の「たら御膳」や「起舟御膳」で漁師の親方が部下を招いて振る舞うごちそうとして食べられてきた。家庭ではいり酒(酒と梅干し)や土佐醤油で味わい、現代では金沢市で定番の郷土料理として根づいている。
由来・歴史
石川県で「タラ」と呼ばれるのはスケトウダラよりマダラが一般的で、七尾湾では昭和20年代に「タラが湧く」ほど豊漁だった。七尾のタラを唄った民謡が残り、毎年2月には「ごっつおまつり(たら祭り)」が開催される。本来鮮度の落ちやすいタラは加熱調理が一般的だが、新鮮なタラが得られる能登では刺身で食べる文化が生まれ、「たらの子つけ」は地域内外に広まった。
食べ方
刺身に酒と塩で味つけした真子のいり煮をまぶし、いり酒(酒と梅干し)で食べるのが伝統的な方法である。カツオ出汁と醤油を混ぜた土佐醤油でも味わう。旧正月の起舟祭では「たら御膳」の一品として、漁師の親方が部下を招いて振る舞う。マダラの真子はスケトウダラの倍以上の大きさになり、黒い皮に覆われた見た目はインパクトがあるが、淡白でモチモチとした食感が特徴である。
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産地
石川県の名物

たけのこ昆布
北前船が運んだ北海道の昆布と、藩政時代に江戸から伝来した加賀の孟宗竹が出会った料理。「たけのこ昆布」は、金沢の歴史が生んだ二大食材の融合である。

鯛の唐蒸し
「にらみ鯛」という二匹のタイを腹合わせにした独特の盛り付けが特徴。背開きにするのは切腹を連想させる腹開きを避ける武家文化の名残である。婚礼の際、嫁方が持参した大ダイを婿方で調理し、宴のクライマックスで披露される。

すいぜん
輪島の葬儀で供される白い寒天菓子。朱塗りの漆器に菊水や輪花の形で盛り付けられ、男性がすった黒ごまの甘じょっぱいごまだれをつけて食べる。精進料理が刺身の代わりに発展した独特の食文化である。

さざえめし/さざえべし
400年続く海女の技が生んだ「輪島海女採りさざえ」。磯の香りとコリコリの食感が染み込む炊き込みごはんは、能登の夏の味覚を象徴する名物料理である。

さわらの昆布じめ
石川県ではカジキマグロを「サワラ」と呼ぶ独特の方言が残る。北前船が運んだ昆布で締めた、能登半島発祥の郷土料理。淡白な身が昆布の旨味を吸い、ねっとりとした食感に変わる。

押しずし
「おけらずし」という愛称も持つ、金沢の祭りを彩る押しずし。木枠に酢飯と旬の魚を重ね一晩寝かせることで、互いの旨味が調和する。春はタイやアジ、秋はサバやシイラと季節ごとに魚が変わるのも特徴である。