
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
米粉をぬるま湯でこねた小判型のだんごに熊笹の芯棒を刺し、数枚の葉で巻いていぐさで結び、ゆでるシンプルな米粉菓子である。味付けはきな粉や砂糖醤油、はちみつ醤油など多様で、笹の香りとともに楽しむ。島根県東部と隠岐地域で作られ、後者ではかやの葉を使う「かやまき」も存在する。旧暦端午の節句や田植えの骨休み、代満、半夏など農事暦に基づく行事の場で食べられてきた。もち米とうるち米の配合比率、水の量、こねる時間、笹の巻き方や結び方は家庭ごとに異なり、独自のレシピが受け継がれている。現代では軒下に吊るして乾燥保存し、子どものおやつや間食としても親しまれ、忙しい時の重宝な食べ物となっている。
由来・歴史
熊笹は殺菌・防腐効果があるとされ、古くは切り傷の包帯として用いられた。その効能にちなみ、子どもの健康を願って旧暦端午の節句に食する風習が生まれた。東部地域では「ちまき」、隠岐では「まき」と呼び名が異なり、地域ごとの呼称の違いも特徴である。
食べ方
いぐさをほどかずに笹の葉を開き、熊笹の芯棒を串として手を汚さずに食べる。きな粉、砂糖醤油、はちみつ醤油などをつけて味わう。5月上旬から半夏にかけて新緑の季節に作られ、旧暦端午の節句には一家総出で製造する恒例行事となっている。余分は軒下吊るしで乾燥保存し、再びゆでて解凍して食べることもできる。
オンラインで買う
ふるさと納税で取り寄せる
産地
島根県の名物

さざえ飯
隠岐の島で人が集まる席に欠かせない「さざえ飯」。サザエのゆで汁で炊き込むシンプルな釜飯は、岩のりで巻いたのり巻きとしてお正月や祭りに振る舞われる。

しじみ汁
「シジミは水からヒトクラ」——宍道湖の漁師が伝える、一瞬の火入れで引き出す極上の旨味。日本屈指の漁獲量を誇る大粒のヤマトシジミを、出雲の家庭で日常的に味わう郷土の味噌汁である。

白魚のかき揚げ
「食べなければ春が来ない」と地元民に愛される宍道湖の白魚を、ふわっとしたかき揚げで味わう。江戸時代から「日本一」と謳われた松江の名産を、旬の野菜とともに揚げた逸品である。

隠岐アラメの炒め煮
「デコボコと荒い表面」が名前の由来となった隠岐のアラメは、漁師が「箱めがね」を装着して海中から刈り取る伝統的な漁法で獲られる。春の新芽を乾燥保存し、炒め煮や白和えなど一年中親しまれる海の恵みである。

黒田せりとほうれんそうのおひたし
北大路魯山人が「日本一」と絶賛した島根県松江市の黒田せりは、江戸時代から続く厳寒期の水田栽培で育まれた貴重な郷土野菜。ほうれんそうとのおひたしは、シャキシャキとした歯ごたえと香りを楽しむ冬の定番家庭料理である。

くじらご飯
節分に「大物くじら」にあやかり、子どもの成長を祈る石見の郷土料理。くじらの皮を油抜きして炊き込む、冬の滋味豊かな一膳である。