
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
黒田せりとほうれんそうのおひたしは、シャキシャキとした歯ごたえと独特の香りが特徴の和え物である。主食材は島根県松江市の旧黒田町で江戸時代から栽培される黒田せりで、ほうれんそうとの相性を活かし、ゆですぎずに仕上げる。黒田町一帯は沼地で野生のせりが自生し、比津が丘からの清らかな水が生育を支えた土地柄である。収穫期の11月から3月初めにかけて食べられ、特に年末から正月初めの「正月セリ」として風邪予防の健康野菜として重宝される。家庭ではほうれんそう7に対しせり3の割合で作ることが多く、冷蔵で1週間保存がきく使い勝手の良さも持つ。三つ葉で代用する場合もある。
由来・歴史
黒田せりは江戸時代から伝わる松江市の郷土野菜で、「黒田」の名は旧黒田町に由来する。5代松江藩主・松平宜維が品種改良を奨励し本格的な栽培が始まった。1930年代には北大路魯山人から「日本一」の折り紙をつけられた。かつては素手素足での厳寒期の水田収穫が「命を縮める」とまでいわれたが、ブリキ製の田んぼ用靴などの導入で負担は軽減した。現在は町内の農家が数軒にまで減少している。
食べ方
黒田せりとほうれんそうをほうれんそう7:せり3の割合で合わせ、シャキシャキ感が残るようゆですぎないようにしておひたしにする。鍋物では煮過ぎずさっと煮るのが良い。収穫期の11月から3月初めに食べられ、年末から正月初めの「正月セリ」として風邪をひかないようにと食べる習慣がある。冷蔵で1週間ほど保存がきき、せりが入手できない場合は三つ葉で代用することもできる。
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産地
島根県の名物

隠岐アラメの炒め煮
「デコボコと荒い表面」が名前の由来となった隠岐のアラメは、漁師が「箱めがね」を装着して海中から刈り取る伝統的な漁法で獲られる。春の新芽を乾燥保存し、炒め煮や白和えなど一年中親しまれる海の恵みである。

笹巻き
熊笹の芯棒が串代わりになる手軽な食べ方が特徴。旧暦端午の節句に男の子の成長を祈り、島根の家庭で一家総出で作られる伝統の米粉菓子である。

さざえ飯
隠岐の島で人が集まる席に欠かせない「さざえ飯」。サザエのゆで汁で炊き込むシンプルな釜飯は、岩のりで巻いたのり巻きとしてお正月や祭りに振る舞われる。

くじらご飯
節分に「大物くじら」にあやかり、子どもの成長を祈る石見の郷土料理。くじらの皮を油抜きして炊き込む、冬の滋味豊かな一膳である。

鯉の糸造り
鎌倉時代から明治時代まで天皇・将軍の御前料理だった鯉の糸造り。宍道湖の大鯉を糸状に切り、真子をまぶす松江の冬の郷土料理で、四条流の伝統を今に伝える。

かしわ餅
柏の葉が自生しない島根では、トゲのある「猿取り茨」の葉を巻いて作る。端午の節句や田植え後の「泥落とし」で農家の女性たちがせっせと蒸した、香り高い郷土の味。