
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
もち米を笹の葉で三角に折り包み、いぐさで縛って2時間ほどゆでたシンプルなちまきである。素材の味をそのまま味わえるよう、きな粉やあんこをつけて食べる。新潟県は米どころとして知られ、良質なもち米が豊富に産出する土地柄がこの素朴な料理を育んだ。端午の節句などの行事や農作業の合間に食べられ、保存食としても機能した。家庭ごとに笹の包み方や縛り方に違いがあり、現在も県民の9割がこの三角ちまきを「ちまき」と認識するほど身近な存在である。
由来・歴史
日本のちまきの中で最も古い形態とされ、奈良・平安時代にはすでに存在していた。『倭名類聚鈔(931~938年編纂)』にはアクで煮る製法が記載される。笹の防腐効果を活かした保存食として発達し、戦国武将・上杉謙信が戦の携行食として考案したという言い伝えも残る。
食べ方
ゆで上がった三角ちまきを笹から開き、きな粉やあんこをつけて食べる。もち米だけのため素材本来の味わいが楽しめる。端午の節句などの行事のほか、農作業の合間の携行食として食べられてきた。ゆでた後も水に浸しておけば3〜4日保存可能で、固くならないのが特徴である。
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産地
新潟県の名物

笹団子
戦国時代に上杉謙信が携行食とした保存食が、米俵に似た俵形の和菓子へ。笹の殺菌作用を活かした新潟の銘菓である。

笹寿司
戦国時代に上杉謙信の兵士が器代わりに使ったという伝承を持つ、笹の葉に酢飯と具を盛り付けた上越地方の名物。2014年には「糸魚川 七夕は笹ずしの日」として記念日登録された。

しょうゆおこわ
新潟県長岡市で「赤飯」と呼ばれるのは、醤油で色付けした茶色のおこわ。全国的な赤飯のイメージを覆す、地元だけの独特な食文化が息づく。

鮭の焼漬け
「鮭の腹は切らぬ」——三面川のサケ文化が生んだ知恵の保存食。焼いた鮭を醤油だれに漬け、冷めてもふんわりとした食感が特徴である。

佐渡の煮しめ
トビウオの「あご出汁」でじっくり煮込む、汁が残らないほど味を含ませた佐渡の「おふくろの味」。各家の畑の野菜を具にし、季節ごとに味付けが変わる島の祭り料理の主役である。

のっぺ
雪深い新潟で鍋ごと雪に埋め保存した「冷やしのっぺ」の名残が残る、里芋のぬめりでとろみをつけた煮物料理。正月や婚礼の席に欠かせない母から子へ伝わる味。