
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
丸麦を水に浸して柔らかく炊き、じゃがいもやさつまいも、大根、里芋、金時豆などを加えたとろみのある粥状の料理である。味付けはせず、ねぎ味噌や醤油の実をつけて味わうのが特徴で、丸麦の食感がアクセントとなる。峡東・峡南・富士・東部の山梨県各域に伝わり、稲作が困難な山間地で長く親しまれてきた。通年、日常の主食として食卓に並び、家庭ごとに入れる野菜や豆の組み合わせに違いが見られる。現代では炊飯器を使うなど調理が省力化されつつも、地元の郷土食として受け継がれている。
由来・歴史
名称の「おばく」は大麦の皮を剥いた「丸麦」に由来し、別名「お麦」「御麦」とも表記される。山間部では米が祝い事の貴重な食べ物であり、麦が日常の主食を担っていた。かつては大きな竈で焦げないよう一日中かき混ぜながら煮る重労働を要した。丸麦は食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富で「五穀の長」と称され、厳しい気候と重労働の生活における地元民の健康維持に寄与していた。
食べ方
丸麦は前日から数時間水に浸し、金時豆も前夜から水戻ししておく。金時豆を煮立てた鍋に大根と丸麦を加え、時々混ぜながら炊く。米を加えて柔らかくなったら、ゆでておいた里芋・じゃがいも・さつまいもを入れて仕上げる。味噌にねぎ、花カツオ、砂糖を混ぜたねぎ味噌や醤油の実をつけて食べる。主食として通年食されるが、特に寒い季節に温まる食べ物として親しまれている。
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産地
山梨県の名物

おしゃかこごり
釈迦のごつごつとした頭を模した「おしゃかこごり」。知恵が授かるとされるほか、謙遜を込めて「お釈迦様の鼻くそ」と呼ばれることもある、山梨の花祭りの行事食である。

おざら
夏バテを防ぐ冷たい麺の郷土料理。細く切った麺を冷やして温かい醤油つゆに浸し、暑い山梨の夏に親しまれてきた。

さんまめし
海なし県・山梨で秋に親しまれる、旬のサンマと新米を炊き込んだ祝いのごちそう。稲刈りの終わりに業者が運んだ塩サンマが発祥とされる一皿である。

生湯葉
日蓮聖人の弟子が師を想って創ったとされる精進料理の逸品。豆乳の表面にできた被膜をそのまま味わう、身延町の名産である生湯葉は、わさび醤油でいただくシンプルな食べ方が特徴。

茂倉瓜の冷や汁
130年前から自家播種で守られてきた幻の瓜を使い、南アルプスの麓で親しまれる夏の冷や汁。冬瓜ほど大きくなるも青臭さがなく、しゃきしゃきとした歯ざわりが麦飯やおかゆに絶妙に合う。

みみ
三角形の麺が「箕」の形に由来する縁起物。源氏の武将が戦勝祝いに食した伝承があり、今も正月元旦に神様へ供える山梨の珍しい郷土料理。