
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
身欠きニシンを昆布で巻き、甘辛く煮込んだ保存食である。昆布は柔らかく、ニシンの旨味が全体に行き渡る味わいが特徴。日本海に突き出た能登半島は古くから海運の要衝で、江戸時代の北前船が北海道から身欠きニシンと昆布を運び込んだ。能登地域の七尾市などで、正月や祝宴といったハレの日に食べられてきた。甘さを強めたものや醤油をきかせたものなど家庭ごとのレシピが伝わり、奥能登の「いしる」を隠し味に加える場合もある。
由来・歴史
能登半島は古くから海運の要衝であり、江戸時代の「北前船」が北海道と大阪を行き来する中で、能登は重要な寄港地となった。北海道から運ばれた身欠きニシンと昆布を組み合わせたのがこの料理である。七尾市の伝統行事「青柏祭」の祝い唄「七尾まだらの脇唄」にも、北前船が運んできた昆布とニシンが歌われている。
食べ方
身欠きニシンを米のとぎ汁やぬか汁に1日以上漬けて柔らかくし、ヒレ・うろこ・骨を取って2〜3等分に切る。ニシンの幅に合わせた昆布をきつく巻き、かんぴょうで結んで出汁と砂糖で1時間以上煮込み、仕上げに醤油とみりんを加えて10分ほど煮る。正月や祝宴のほか、年末に大量に作り正月の常備菜とする家庭もある。
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産地
石川県の名物

押しずし
「おけらずし」という愛称も持つ、金沢の祭りを彩る押しずし。木枠に酢飯と旬の魚を重ね一晩寝かせることで、互いの旨味が調和する。春はタイやアジ、秋はサバやシイラと季節ごとに魚が変わるのも特徴である。

さわらの昆布じめ
石川県ではカジキマグロを「サワラ」と呼ぶ独特の方言が残る。北前船が運んだ昆布で締めた、能登半島発祥の郷土料理。淡白な身が昆布の旨味を吸い、ねっとりとした食感に変わる。

さざえめし/さざえべし
400年続く海女の技が生んだ「輪島海女採りさざえ」。磯の香りとコリコリの食感が染み込む炊き込みごはんは、能登の夏の味覚を象徴する名物料理である。

なすそうめん
「なすのそうめんかぶし」とも呼ばれる金沢の夏の知恵料理。そうめんとなすを煮こんだ煮物で、麺より煮物という独特の食感が特徴。奥能登のそうめん産地の歴史が、食べ残した麺の再利用から生まれた。

なすのオランダ煮
「オランダ煮」の名は長崎経由で伝わった西洋料理法に由来する。へた紫なすを使った金沢の夏の定番で、冷やして食べるのが一般的だ。

なまこの酢の物
8世紀の木簡に記された能登の名産。平城宮跡出土の文書に「能登からなまこ6斤を都へ」とあり、延喜式にも記録が残る歴史ある冬の味覚である。