
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
「みたま」は黒豆ともち米を蒸した黒豆おこわで、黒豆の素朴な風味ともち米の食感が特徴である。主に石川県白山市美川地区を中心に伝承され、かつては加賀藩の米どころとして栄えた土地の産物を活かした料理である。新築の建前や慶事・弔事、お盆の十五日など、法事や祖先供養の場で食べられてきた。味付けは地域や家庭で異なり、甘煮にする場合と素のままにする場合があり、金沢市では食べる直前にきな粉をふりかける独自の食べ方も定着している。現代では江戸時代から続く「おかえり祭り」でも振る舞われ、地域の結びつきを象徴する食文化として継承されている。
由来・歴史
「みたま」は漢字で「御霊」と表記されることもあり、黒豆と白いもち米の配色から「めだま」とも呼ばれる。赤飯が火事を連想させるため建前の引き出物に不向きとされ、白と黒の配色が祝い善として広まった。同じ理由で赤いタイの尾頭つきではなく青い魚が用いられるようになり、黒豆は健康を意味して床上げの際にも振る舞われた。
食べ方
砂糖や醤油で煮こんだ黒豆を蒸したもち米に混ぜ込んで食べる。金沢市では食べる直前にきな粉をふりかけるのが定番で、米と黒豆を別に蒸すのは黒豆の色が移らないようにするためである。新築の建前やお通夜、お盆の十五日、そして5月の「おかえり祭り」など、慶弔を問わず年間を通じて食べられる。お通夜では仏前に供えて集まった人々で分け合う習わしがある。
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産地
石川県の名物

なまこの酢の物
8世紀の木簡に記された能登の名産。平城宮跡出土の文書に「能登からなまこ6斤を都へ」とあり、延喜式にも記録が残る歴史ある冬の味覚である。

なすのオランダ煮
「オランダ煮」の名は長崎経由で伝わった西洋料理法に由来する。へた紫なすを使った金沢の夏の定番で、冷やして食べるのが一般的だ。

なすそうめん
「なすのそうめんかぶし」とも呼ばれる金沢の夏の知恵料理。そうめんとなすを煮こんだ煮物で、麺より煮物という独特の食感が特徴。奥能登のそうめん産地の歴史が、食べ残した麺の再利用から生まれた。

めった汁
「やたらめったら」具を入れる名の由来が語り継がれる、石川県の具だくさん豚汁。文豪・徳田秋声の小説『黴』にも登場し、明治から親しまれてきた郷土の味である。

メギスのだんご汁
「メギス」は石川県の方言で、ギョロっとした大きな目が由来ともいわれる。鮮度が落ちるのが早く産地以外では刺身も味わえない、この地だけの特権的な魚を使っただんご汁である。

真子の煮つけ
江戸時代から続く能登の冬の珍味。30cm近い巨大なマダラの真子を、醤油とみりんでシンプルに煮つける。黒い皮に包まれた卵は、輪切りにすると花が咲いたように仕上がる。