
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大粒の甲州百目柿を剥皮し軒先で天日干しして仕上げる干し柿で、甘味成分が白い結晶となって表面に吹くのが特徴である。甲州市の松里地域を中心に、南アルプス市などでも生産され、大玉の柿が実る山梨県の風土と密接に結びついた名物である。収穫後の11月から12月にかけて民家の軒先で干され、12月中旬から1月下旬にかけて完成したものが食される。近年は包装技術の向上により約1か月の常温保存が可能となり、冷凍で1年の貯蔵も可能になったほか、柿なますや天ぷらなど食べ方も多様化している。
由来・歴史
同じ干し柿であっても水分量により分類され、25%から30%程度まで乾燥させて甘味成分が白く結晶化したものを枯露柿と呼ぶ。この名称は天日で乾燥させる際、実全体に太陽の光を浴びせるために向きを「ころころ」と変えていたことに由来するという。甲州市松里地域は昔から大きな甲州百目柿が採れる名産地として知られ、11月から12月にかけて民家の軒先に吊るされた柿がオレンジのカーテンのように連なる光景は、秋の風情として親しまれてきた。
食べ方
11月頃に熟した柿を収穫し、へたを取って先端の皮のみ残して剥皮した後、カビ防止と渋み取りのため熱湯に通し、ビニールひもで吊るして軒先で天日干しする。その後、ひもを外して小判型に整え、稲わらの間に包んで冷暗所で寝かせ、表面に白い糖の結晶が吹くまで熟成させる。仕上がりは12月中旬から1月下旬で、この時期に食されるほか、硬くなったものはおせちの柿なますや天ぷらに利用されることもある。
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産地
山梨県の名物

甲州小梅漬
「カリカリ漬」の異名を持つ甲州小梅漬は、卵の殻を使った独自の漬け込み法で歯ごたえのある食感を生む。天日干しせず梅酢に漬けたまま保存する「どぶ漬け」が特徴の山梨の人気加工品である。

めまき
富士登山の安全祈願を込めた三角形の郷土料理。アラメで魚を巻き、10時間以上煮込む保存食で、江戸時代から御師が信者にもてなした。

みみ
三角形の麺が「箕」の形に由来する縁起物。源氏の武将が戦勝祝いに食した伝承があり、今も正月元旦に神様へ供える山梨の珍しい郷土料理。

かつ丼
山梨県で「かつ丼」と頼むと、卵とじではなく千切りキャベツの上にとんかつが載る丼が出てくる。県外の卵とじタイプは「煮かつ丼」と呼ばれ、まったく別の料理として認識されている。

じゃがいもとひじきの煮物
海の幸と山の幸を合わせた開山祝いの一品。富士山信仰の宿坊・御師が100年以上前から振る舞い、今も7月1日の山開きに欠かせない郷土の味である。

いのぶた鍋
山梨・三富で戦後に奨励された「いのぶた」は、野生の猪と豚を交配させた珍しい畜産物。獣臭がなく脂に甘みとコクがあり、タンパク質は豚肉より2割多いスタミナ食材として鍋で親しまれる。