
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
夏野菜のなすやにがうりを油で炒め、出汁で溶いた味噌で味付けし、水溶き小麦粉でとろみをつける大分の郷土料理。名は小麦粉を入れて練ることに由来するといわれる。野菜の水分と栄養をとろみが閉じ込めるため効率よく栄養がとれ、食欲の落ちる夏でも食べやすい。大分県が「次代に残したい郷土料理」25品に選ぶ定番で、NHKの料理サイト「みんなのきょうの料理」にレシピが載り、漫画『美味しんぼ』(71巻)にも登場するなど県外にも知られつつある。なす栽培が盛んな豊後大野市では、ローマ神話の女神ビーナスにちなむブランドなす「美なす(びーなす)」も知られ、夏の食卓との縁は深い。
由来・歴史
「こねり」の名は、小麦粉を入れて練ることから付いたといわれる。国東半島では同じ料理を「オランダ」と呼び、その由来には、野菜を熱い油で炒めるときの大きな音から大分の方言「おらぶ(叫ぶ)」がなまったとする説と、油を使う調理法が西洋風だったからとする説がある。ほかに「こかけ」「あんかけ」「ばばころし」といった呼び名も残る。県内屈指の畑作地帯である豊後大野市では、大量にとれるなすやにがうりを処理する手段として農家が食べはじめたとも伝わる。
食べ方
輪切りか短冊切りにしたなすと、7mmほどの厚さに切ったにがうりをフライパンで炒め、水で溶いた味噌で味付けし、仕上げに水溶き小麦粉を流し入れてとろみがついたら皿にとる。ピーマンや豚肉、じゃこを入れる家庭や醤油風味もあり、食材と味付けは家庭によって千差万別。小麦粉に卵を混ぜるとべちゃっとなりにくく、にがうりは湯通しすると苦味が抜けて子どもでも食べやすい。なすやにがうりの収穫期、夏の盛りの定番である。
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産地
大分県の名物

くじゃく
半分に切った断面が孔雀の羽にそっくりなことから名付けられた華やかな郷土料理。ゆで卵を緑色の魚のすり身で包み、祝いの席に彩りを添える。

物相ずし
米が貴重だった時代、定量で切り分けて皆が平等に食べられるよう考案された押しずし。農繁期の嗜好食や祭りの行事食として大分県中津・宇佐で親しまれてきた。

鶏汁
鶏肉消費日本一の大分で、かつては縁の下に鶏を飼い、ハレの日に全てを余さず使った知恵の汁。親鳥のしっかりとした肉質と、ガラから取る出汁の深みが特徴である。

きらすまめし
江戸時代の倹約令から生まれた「きらすまめし」は、刺身に大豆の搾りかすをまぶした臼杵の知恵料理。カボスを絞る爽やかな風味が、花見の席を彩る。

けんちゃん
鎌倉・建長寺が発祥とされる汁物が、大分県国東市では「けんちゃん」の名で親しまれている。具材を大きめに切り、汁気少なめの煮物風で食べるのが特徴だ。

じり焼き
「じりい(ゆるい)」という方言が名前の由来とされる豊後大野市の粉食。薄く焼いた地粉の生地に黒砂糖やかぼちゃのあんを巻き、子どものおやつから農作業の差し入れまで幅広く親しまれてきた。