
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
鯉こくは、鯉を筒切りにして味噌で煮込んだ汁物料理である。千曲川の冷たい流水で3〜4年かけて育てられた「佐久鯉」は身が引き締まり、臭みが少なく適度な脂肪が乗った肉質となる。長野県佐久市を中心とする佐久平地域で伝承され、二毛作の難しいこの土地では水田を利用した鯉の養殖が古くから行われてきた。お正月に欠かせない食べ物として親しまれ、「病気をせず一年健康に過ごせるように」という願いが込められている。味噌に砂糖を入れるかどうか、うろこを取るかどうかなど、地域や家庭によって作り方に様々な違いがあり、好みで粉山椒をかけて食べる。
由来・歴史
佐久の鯉養殖は、天明年間に桜井の呉服屋・臼田丹右衛門が大阪から持ち帰ったのが始まりとされる。1825年(文政8年)、岩村田藩主内藤豊後守が大阪からの帰国に際し「淀鯉」を野沢の豪商・並木七左衛門に与えて養殖を定着させた。明治5年以降、機械製糸の発展でさなぎの入手が容易になると大量生産が可能となり、「佐久鯉」は全国に名を馳せた。1746年、篠澤佐五右衛門が伊勢神宮の神官を招いて鯉こくを振る舞ったことが、正月に食べる習慣の由来となった。
食べ方
鯉を大胆に筒切りにし、味噌で煮込む。味噌に砂糖を加えるか、うろこを取るかなどは地域や家庭によって異なり、好みで粉山椒をかけて食べる。お正月によく食べられ、「病気をせず一年健康に過ごせるように」という思いが込められている。甘めの煮汁で炊いた「鯉のうま煮」も佐久地域で馴染み深く、冷水で身を引き締めた「あらい」は地酒と合う。
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産地
長野県の名物

こねつけ
戦国武将・真田幸村が出陣前に腹ごしらえしたと伝わる郷土料理。米が貴重だった時代、小麦粉を混ぜて焼き上げた携行食が、今はおやつとして親しまれている。

にらせんべい
米が貴重だった山間部で生まれた「粉もの」の知恵。にらを混ぜた小麦粉の生地を薄く焼き、味噌だれや醤油だれをたっぷりつけて食べる、長野・北信の素朴な味。

のたもち
枝豆の甘い香りが広がる鮮やかな緑色の餡を、半搗きのごはんに塗りたくる独特の食べ方が特徴。諏訪地方では盆の帰省客をもてなす定番として親しまれてきた。

小鮒の甘露煮
生きたまま鍋に入れるという荒技が特徴の「小鮒の甘露煮」。跳ねる小フナを素早く蓋で押さえ込む、佐久の母親たちの技が光る秋の味覚である。

いなごの佃煮
漢字で「稲子」と書くいなごは、稲刈りとともに収穫される秋の味覚。伊那谷では9〜10月、手拭いの袋を腰に下げて飛び跳ねるいなごを捕まえ、甘露煮や佃煮にして食べる伝統が残る。

いもなます
江戸時代から続く飯山の隠れた名物。豪雪で野菜が入手困難だった北信の知恵が、じゃがいもを酢で締めたシャキシャキの味わいに結実した。池波正太郎の小説にも登場する歴史ある一皿。