
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
米、麦、大豆の3種類のこうじに、なす・うり・しょうが・しそなどの野菜を漬け込んだ、塩辛く香り豊かな発酵食品である。和歌山県有田郡湯浅町を中心とする紀伊半島沿岸で生産され、水質が味噌や醤油の製造に適したこの地の風土が、独特の味わいを育んできた。夏に仕込み、1ヵ月で食べられるようになるが、1年寝かせるとさらに美味しくなるため、保存が利く「常備菜」として年中食されている。漬け込む野菜の種類や味付けは店や家庭ごとに異なり、それぞれのこだわりが受け継がれている。
由来・歴史
1249年、由良の高僧・覚心(法燈国師)が修行先の中国・宗で怪山寺味噌の製法を学び、日本に持ち帰った。「興国寺」建立の際、湯浅町および周辺地域に製法を伝え、醤油・味噌の祖として広まった。その後300年余りは農家の自家用に留まっていたが、江戸時代に幕府の目に留まり、商品化の道を歩み始めた。
食べ方
調味料としてではなく、ごはんにのせたり、焼き魚や刺身に添えたり、酒の肴にしたりして「おかず」として食べる。和歌山の郷土料理「茶がゆ」との相性も良い。夏に大豆、麦、米のこうじで仕込み、1ヵ月ほどで食べられるようになるが、1年寝かせると風味が増す。保存が利くため、常備菜として一年中食されている。
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産地
和歌山県の名物

こけら寿司
屋根材「こけら板」を押し型に使ったこと、あるいは木屑に似た見た目から名付けられた「押しずし」の原型。和歌山の漁港町では、豊漁祈願の夏祭りでヒメジやエソを使った豪華なこけら寿司が振る舞われてきた。

豆ごはん
米が乏しくなる春、えんどう豆をたっぷり入れて増量したのが始まり。塩だけで炊くシンプルな味わいが、子どもから大人まで親しまれる。

めはりずし
「目を見張るほどに美味しい」とか、「おにぎりに目張りをするように包む」から名づけられた、高菜漬けで大きなおにぎりを包む和歌山県南部の郷土寿司。漁や山仕事の合間に手軽に食べられる弁当として広まった。

柿の葉寿司
江戸時代に生まれた柿の葉寿司は、柿の葉に含まれるタンニンによる天然の保存力を活かした知恵の結晶である。紅葉した柿の葉で包むことで、熊野灘のサバやカチエビが一日もち運べた。

かきまでご飯
「かきまぜ」がなまって生まれた呼び名。酢を使わない日高地方のまぜごはんは、焼きサバの骨出汁と紀伊水道の恵みが織りなす、お祝い事に欠かせない郷土の味である。

かきまぶり
「まぶり」は那賀地方の方言で「かき混ぜる」の意。米と乾物・野菜を一煮汁で炊き、すし飯に混ぜるちらしずしは、田植え休みのごちそうから祝い事の定番へと受け継がれてきた。