
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
かしきりは、あらかしの実(どんぐり)を粉砕・水浸しでアク抜きし、水と練って加熱し、のり状に固めた豆腐様の料理である。高知県山間部、特に安芸市で伝承されており、耕作に不向きな山間地域で貴重なタンパク源として親しまれた。10月終わりに山でかしの実を拾い、天日干しで「笑う」まで乾燥させ、粉末にして調理する。飢饉時の救荒食として重宝され、家を守るお年寄りが主に仕事を担った。家庭ごとにぬたの味付けに違いがあり、葉にんにく・ごま・味噌・米酢などを混ぜた調味料で味わうのが通例である。昔は県内広く食されたが、現在は安芸市でのみ食される貴重な郷土料理となっている。
由来・歴史
かしきりは古来、朝鮮半島から伝わったとされ、高知県山間部で「かし豆腐」とも呼ばれる救荒食として発展した。かしの実と水だけで作るシンプルな調理法は、耕作が困難な土地で生きる知恵として受け継がれた。食料難の時代に重要な役割を果たし、家を守るお年寄りの仕事とされた。韓国では現在も「トトリムク」という類似の料理が食されている。
食べ方
かしの実を殻から取り出し、水と共に粉砕した後、10回程度の水換えで2日かけてアク抜きする。水と一緒に鍋で加熱し、でんぷんがのり状になったら型に流し込んで冷やし固める。完成したかしきりは適当な大きさに切り、葉にんにく・ごま・味噌・米酢などを混ぜた高知県の郷土調味料「ぬた」をつけて食べる。10月終わりの収穫から乾燥・粉末化を経て、飢饉時などの緊急時にも活用された。かつては石臼で挽いたが、現在はミキサーを用いることもある。
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産地
高知県の名物

かつおのたたき
「たたき」は塩やタレをかけて叩いて味を馴染ませる調理法に由来する。漁師の船上まかないから生まれた高知のソウルフードは、今や冠婚葬祭の「皿鉢料理」に欠かせない定番となっている。

きびなごのほおかぶり
「ほおかぶり」の名は、手ぬぐいで頬を包んだ人の頭に見えるすしの姿に由来する。お米の代わりにおからを使った高知の郷土寿司で、ヘルシーながらもほろほろとくずれる独特の食感が特徴である。

きらずもち
「切らず」に由来する縁起の良い名を持つ餅。豆腐作りの副産物・おからを混ぜ、正月に食べられた高知県佐川町尾川地区の郷土菓子である。

いたどりの油いため
竹のように中空の茎を持つ山菜「いたどり」は、高知県では塩漬けや冷凍で長期保存し、年間を通じて食卓に上る身近な食材である。カリカリとした歯ごたえを活かした油炒めは、今も家庭で受け継がれる定番の副菜である。

田舎ずし
山の幸をふんだんに使った高知県の珍しい野菜ずし。昆布やのりが手に入りにくかった山間地で生まれ、四方竹の空洞に酢飯を詰める「四方竹の一口ずし」など、鮮やかな色彩が食卓を彩る。

いもの茎の炒め煮
「さあ、いもの茎をはごう」——散財のあとに口にされた高知の家計支えの知恵料理。さつまいもの葉柄を炒め煮にした、シャキシャキ食感の夏の味覚である。