
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
いさざの卵とじは、体長5〜6cmの透き通ったハゼ科小魚イサザを、卵でとじたシンプルな料理である。能登半島中央の穴水町を中心に、春のイサザ漁の時期に親しまれてきた。産卵のために海から遡上したイサザが町内の河川に集まる春先、3月の「踊り食い」に続き、4月から5月にかけて身が大きくなると卵とじや茶わん蒸し、かき揚げなどのバリエーションが広がる。かつては漁獲量が多く家庭の食卓にも並んだが、現在は減少により観光客向け飲食店や施設での提供が中心となり、穴水周辺の家庭で伝統的に受け継がれている。
由来・歴史
イサザはシロウオのことで、加賀地方では「すべり」とも呼ばれる。穴水町では「春告げ魚」と呼ばれ、春のイサザ漁解禁が季節の訪れを告げる。四つ手網を使った伝統漁法「ほうちょう」が春の風物詩となり、3月初旬の漁から生きたままの「踊り食い」が楽しまれる。身が大きくなる4〜5月には卵とじなどの料理に発展し、5月頃には加賀・美川地区でも「すべり」として食されるようになった。
食べ方
淡白な味わいのイサザは、卵とじのほか茶わん蒸しやすまし汁などシンプルな調理法で食べられる。生きているうちに調理することがポイントで、3月ごろは二杯酢や三杯酢に入れた「踊り食い」が旬の味わいである。4月以降は身が大きくなるため卵とじが定番となり、かつては佃煮のような保存食も作られたが、現在は漁獲量減少により高価となり、観光客向けの提供が中心となっている。
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産地
石川県の名物

いしる鍋
「魚汁(うおしる)」が訛って生まれたという能登の魚醤「いしる」を使う鍋。スルメイカの内臓を数年熟成させた独特の香りと旨味が、冬の食卓を彩る。

いとこ汁
「いとこ汁」という謎めいた名前の由来は諸説あり、旧暦12月8日の「御事始」に食べられた「おこと汁」が転じた説や、小豆と豆腐の材料関係から「いとこ」と呼ばれた説などがある。浄土真宗の報恩講で親鸞聖人への御恩を報じる食事として供される。

じぶ煮
「じぶじぶ煮る」擬声語から名付けられた説もある加賀の名物料理。鴨肉に小麦粉をまぶして煮ることで、寒い冬でも体の芯から温まるとろみ汁が特徴である。

ひねずし
「すしの元祖」と呼ばれる奥能登の発酵食品。桶の中身は食べる直前まで確認できないという、運命の一瞬をともにする郷土料理である。

はす蒸し
「餅れんこん」と呼ばれる加賀れんこんの粘りを活かした蒸し物。藩政時代から続く歴史ある野菜の、もっちりとした食感が特徴の郷土料理である。

五色生菓子
加賀藩御用菓子士・樫田吉蔵が珠姫の輿入れに献上した「五色生菓子」。五重の菓器に詰められた赤・白・黄の餅と蒸しようかんが、天地自然「日月山海里」を象徴する婚礼の祝い菓子である。