
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
里芋をだし汁と味噌で煮つめたシンプルな煮物料理である。皮を剥くと真っ白で独特のぬめりを持つ「帛乙女(きぬおとめ)」という里芋を使用し、ねっとりとした味噌が食材によく絡むのが特徴である。主な伝承地は新潟県五泉市で、阿賀野川と早出川の豊かな水と肥沃な土壌がブランド野菜を育む農業地域である。秋の収穫期、特に粒の小さい里芋が多く採れる時期に各家庭で作られてきた。煮崩れしにくい品種特性を活かし、ご飯に合うとろとろの仕上がりが家庭ごとの好みで受け継がれてきた。
由来・歴史
五泉市では昔から各農家で里芋が自家栽培されていたが、昭和45年(1970年)の稲作減反政策を機に本格栽培が始まった。大和早生を約20年かけて品種改良し、昭和62年(1987年)には県内唯一の「国の指定産地」に指定され、新潟県内1位の生産量を誇る産地となった。「帛乙女」の名は、皮を剥いた際の真っ白な肌を五泉市の伝統産業である絹織物にたとえて付けられた。
食べ方
皮を剥いた里芋を食べやすい大きさに切り、だし汁と味噌でコトコト煮つめる。里芋のぬめりを活かすため、皮をむいた後や切り分けた後は洗いすぎず、ぬめりを残すことがポイントである。里芋が煮くずれるまでじっくり煮ると、とろとろの仕上がりとなり、あたたかいご飯によく合う。主に9月から11月の収穫期に作られ、粒の小さい里芋が出回ると各家庭で食された。
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産地
新潟県の名物

飯ずし
村上市に古くから伝わる「飯ずし」は、なれずしの一種で、塩引きサケと数の子、野菜を米と麹に漬け込み低温発酵させた保存食である。毎冬、気温に合わせて重しを変えながら、出来上がりのタイミングを待つ伝統的な技が受け継がれる。

かきあえなます
「かきのもと」は新潟・下越地方の呼び名で、中越地方では「おもいのほか」と呼ばれる。赤紫色の食用菊を使った酢の物は、秋の食卓に鮮やかな彩りを添える名物である。

かんずり
「寒造里」とも書く新潟・妙高の発酵調味料。上杉謙信が唐辛子を持ち込んだという伝承があり、大寒の「寒ざらし」で雪上に赤い唐辛子を並べる風景は冬の風物詩となっている。

いごねり
九州の「おきゅうと文化」が北前船で佐渡に渡来したという意外なルーツを持つ海藻加工食品。もっちりとした食感とほんのりとした磯の香りが特徴で、しょうが醤油や酢味噌で味わう。

干し大根漬け
「はりはり」と音を立てて食べることから名付けられた新潟の保存食。酢を使わず醤油ベースで昆布とスルメの旨味を閉じ込め、寝かせるほどに味が深まる。

冷やし汁みそ仕立て
きゅうり、青じそ、みょうがを刻んで冷たい味噌の汁に――暑さで食欲が落ちる夏も、さらさら食べられる新潟・中越の一杯。そのまま汁物でも、ごはんや麺にかけてもいい。