
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
小麦粉を練り、1時間寝かした後に2メートル以上に手延べしてゆでる麺料理である。冷水でしめることで弾力と噛み応えのある食感が生まれる。主な伝承地域は大分市戸次地区と大野川流域で、古くから畑作による小麦栽培が盛んな土地柄が粉食文化を育んだ。お盆やお祭りなど客をもてなす場面で食べられ、日常の食事ではなく特別な機会に振る舞われた。家庭ごとに薬味の組み合わせやつけ汁の味付けに違いがあり、煮こみうどん風にアレンジする食べ方もある。現代では手間のかかる製法から家庭で作られる機会は減ったが、地域の食文化として継承されている。
由来・歴史
大友宗麟の家来が、アワビの腸のように細く伸ばした小麦粉の麺を献上したところ、アワビ好きの宗麟が非常に気に入り、「鮑腸」と名付けたという。これが大分の小麦産地である戸次地区を中心に根づいた。山梨県の「ほうとう」が訛って伝わったという説も存在する。
食べ方
小麦粉に塩と水を混ぜこね、1時間ほど寝かしてグルテンを増した後、2メートル以上に手延べしてゆでる。冷水でしめて弾力を出し、干ししいたけといりこのだし汁にすりごま、おろししょうが、かぼす、小ねぎなどの薬味を添えたつけ汁につけて食べる。麺が長いため箸で少しずつ切りながらいただく。お盆やお祭りなど客をもてなす時に振る舞われた。鶏肉や里芋、人参、大根と煮込む煮こみうどん風の食べ方もある。
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産地
大分県の名物

ひゅうが丼
風が「ヒューヒュー」吹く船上でも火を使わず食べられるよう生まれた漁師飯。マグロを甘めのごま醤油だれに漬け、卵黄のコクで仕上げる大分県津久見市の名物料理である。

石垣もち
石垣のような粗い表面が特徴の大分県の粉食菓子。農作業の合間に手早く作られた素朴なおやつで、地域によって「きりこみもち」「こねこみもち」など異なる呼び名で親しまれる。

じり焼き
「じりい(ゆるい)」という方言が名前の由来とされる豊後大野市の粉食。薄く焼いた地粉の生地に黒砂糖やかぼちゃのあんを巻き、子どものおやつから農作業の差し入れまで幅広く親しまれてきた。

ごまだし
漁師の妻が出汁の手間を省くために生まれたという大分県佐伯市の伝統調味料。焼いたエソとごま、みりんを混ぜた保存の利く「ごまだし」は、かけうどんとしてファーストフード感覚で親しまれている。

がん汁
「がん」はカニ汁が訛った呼び名。殻ごとすりつぶしたツガニのたんぱく質がふわふわと浮かび上がる、大分県宇佐市の知られざる名物料理である。

だんご汁
球状ではなく薄く帯状に引き伸ばした「だんご」が特徴。米不足の時代に主食代わりとして親しまれ、今も大分のソウルフードとして愛される。