
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
葉にんにくのぬたは、刻んだ葉にんにくを味噌・酢・いりごま・砂糖で和えた高知県の伝統的な調味料である。にんにく独特の香味とピリッとした辛み、さっぱりとした口あたりが特徴で、ブリやクマビキ(シイラ)、ドロメ(イワシの稚魚)といった生の魚、豆腐やこんにゃくにかけて食べられる。主な伝承地域は高知県全域で、特に赤岡町では「あおぬた」と呼ばれ酒や塩を隠し味に加える地元民もいる。高温多湿な気候を乗り切るためねぎ類を好む食文化の中で、葉にんにくはすき焼きや雑炊、炒め物など多様な料理に用いられる。旬は冬ごろで、刻んで冷凍保存もでき日常的に食べられている。3月3日の桃の節句にはお雛様の前に葉にんにくと赤芽芋を供える風習も残る。
由来・歴史
ぬたは高知県の伝統的な調味料で、葉にんにくを食べる文化は朝鮮渡来によるものと伝わる。16世紀末、土佐国の戦国大名・長曾我部元親が朝鮮の役から帰国した際に持ち込まれたのがルーツとされている。高知県ではぬたに限らず葉にんにくが広く料理に使われ、ねぎ類を好む食文化として定着した。
食べ方
細かく刻んだ葉にんにくをすり潰し、味噌・酢・いりごまを混ぜて砂糖で味を調整する。ブリの刺身には醤油ではなくぬたをかけるのが高知県では一般的で、クマビキやドロメ、豆腐・こんにゃくなどにも添える。赤岡町では「あおぬた」と呼ばれ酒や塩を加えることもある。旬の冬ごろを中心に、一般家庭や飲食店で日常的に食べられ、刻んで冷凍保存もできる。
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産地
高知県の名物

ひめいちとみかんの辛子煮
「明日は鯛になろう」と名づけられた小魚・ヒメイチを、みかんの皮と辛子で煮込む土佐の知恵料理。骨まで柔らかく食べられる保存食として、年の暮れに欠かせない味である。

いもべらあずき
「へら」とは土佐・伊野町の干しいもの呼称。砂糖が希少だった時代は黒砂糖を使い、真っ黒な見た目だったという「いもべらあずき」は、ねっとりほくほくの素朴な甘さが特徴の郷土菓子である。

いもの茎の炒め煮
「さあ、いもの茎をはごう」——散財のあとに口にされた高知の家計支えの知恵料理。さつまいもの葉柄を炒め煮にした、シャキシャキ食感の夏の味覚である。

半夏だんご
7月2日の「半夏」の日にしか食べられなかった大豊町の郷土菓子。みょうがの葉に包まれた小麦粉のだんごは、農繁期の労をねぎらう特別な味である。

淡竹とエンドウの煮物
お弁当のおかずとしてお年寄りに懐かしまれる、高知の春の定番煮物。淡白な淡竹と甘みのあるエンドウが旬の出会いを果たす。

ぐる煮
「ぐる」とは土佐の方言で「仲間」という意味。大根、人参、里芋など冬の根菜を一緒くたに煮込む、昔ながらの備蓄菜である。味噌仕立ての地域もあり、家庭ごとの味が受け継がれている。