
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
さつまいも粉や小麦粉、角切りのさつまいもを熱湯で練った生地にあんを包み、手で叩いて平らにして蒸す素朴な蒸し菓子である。山梨県峡南地域の市川三郷町・六郷町周辺で伝承され、米づくりに適さない台地・丘陵地帯でさつまいもやとうもろこし、小麦が主要な作物として栽培されていた背景から、粉物の食文化が発達した。かつては農作業の合間の間食として各家庭で手づくりされ、腹持ちの良さが重宝された。現在は朝市や地元団体による通年販売のほか、さつまいも粉の黒いものととうもろこし粉の黄色いもの、あずきあんと白いんげんあんなど、家庭や製作者によって素材や味わいに違いが見られる。
由来・歴史
名称はあんを入れた生地を「びんた」をするように強く叩いて平らにすることに由来する。峡南地域は米作に不向きな土地柄からさつまいもや雑穀の栽培が中心で、膨張剤を使わない粉食文化が根付いた。食生活の変化で作り手・食べ手が減ったが、1996年の市川三郷町落居小学校廃校を契機に地元民が町おこしの一環として伝統食の復活を目指し、六郷町特産品加工組合を設立して現在に至る。
食べ方
さつまいも粉、小麦粉、塩、水にさらした角切りさつまいもに熱湯を加え、耳たぶの柔らかさになるまで練る。丸めてあんを包み、手で強く叩きながら平らに整え、蒸し器で15分ほど蒸す。冷めるとずっしりとした歯ごたえになる。昔は農作業の合間に食べられ、現在は朝市や地元団体により通年、おやつや土産として販売されている。
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産地
山梨県の名物

あわびの煮貝
海のない山梨の内陸で名産となった珍しい煮貝。醤油に漬け込んだアワビを馬で揺らしながら運んだ甲府の食文化が、深い旨味の逸品を生み出した。

小豆ほうとう
本来は餅を入れる汁粉だったが、山梨では麦で代用した小豆ほうとう。赤色のあずきは厄除けの象徴とされ、収穫感謝のハレの日に供えられてきた。

馬刺し
かつて貢馬の国として知られた山梨で、富士山信仰登山の荷揚げに使われた馬から生まれた馬刺しは、生肉を薬味と醤油で味わうシンプルながら奥深い郷土料理で、現代も高栄養価な食材として親しまれている。

甘納豆のお赤飯
甘納豆を入れた甘口の赤飯は、山梨県で長く親しまれてきた珍しい郷土食である。ささげや小豆を使わず、食紅で赤く染めたもち米に甘納豆を加え、ごま塩を振って甘じょっぱく味わう。

あけぼの大豆の枝豆
「十六寸(とうろくすん)」の異名を持つあけぼの大豆は、通常の1.6倍もの大粒で、かつては「幻の大豆」と呼ばれるほど入手困難だった。山梨県身延町の寒暖差と霧深い気候が極上の糖度と大粒を育む。

ほうとう
かぼちゃのほうとうは「うまいもんだ」と誰もが知る山梨の味。塩を使わない麺を打ち粉ごと煮込む独特の技法は、嫁入り修行としても受け継がれてきた。