
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大粒で糖度が高い枝豆を塩ゆでする料理である。粒は通常品の1.6倍あり、十粒で十八センチメートルに達し「十六寸」の別名も持つ。主な産地は山梨県身延町曙地域で、標高三百〜七百メートルの高地における激しい寒暖差や霧、礫岩層の土壌が品質を支える。晩生種であるため新鮮な枝豆が味わえるのは十月の短い期間に限られ、大豆の収穫は十一月から十二月にかけて行われる。かつては地域性や手作業への依存、生産者の高齢化から「幻の大豆」とされていたが、現在は町全体の地域活性化事業として生産が回復し、豆腐や味噌、コロッケや納豆など幅広く加工されている。
由来・歴史
明治時代から山梨県身延町曙地域で栽培されてきたあけぼの大豆は、通常の大豆より大粒で糖度も高く、十粒を並べると六寸になることから「十六寸」と呼ばれた。身延町の標高三百〜七百メートルにおける昼夜の寒暖差や霧深さ、礫岩層の土壌が最適な生育環境であるが、機械化が困難で手作業に依存し生産者の高齢化も重なり、入手しづらい「幻の大豆」と化した。曙の種を他の土地で育てると一年目は大粒でも翌年から小粒になり、曙でなければ本来の姿を保てないということから、地域の自然と人の技がこの豆を支えていることがわかる。
食べ方
水洗いした豆に塩を多く振り、産毛をこすり落とした後に塩を入れた湯の中で五〜八分間ゆでる。途中で硬さを確認し好みの柔らかさに仕上げ、ざるに上げてうちわであおぎ粗熱を取って食べる。新鮮な枝豆が味わえるのは十月のわずかな期間だけであり、晩生種であるためその旬は限られている。
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産地
山梨県の名物

甘納豆のお赤飯
甘納豆を入れた甘口の赤飯は、山梨県で長く親しまれてきた珍しい郷土食である。ささげや小豆を使わず、食紅で赤く染めたもち米に甘納豆を加え、ごま塩を振って甘じょっぱく味わう。

あんびん
あんを包んだ生地を「びんた」のように叩いて平らに整えることから名付けられた、山梨県峡南地域の蒸し菓子。米作りが難しかった土地で育まれた粉食文化の象徴である。

あわびの煮貝
海のない山梨の内陸で名産となった珍しい煮貝。醤油に漬け込んだアワビを馬で揺らしながら運んだ甲府の食文化が、深い旨味の逸品を生み出した。

小豆ほうとう
本来は餅を入れる汁粉だったが、山梨では麦で代用した小豆ほうとう。赤色のあずきは厄除けの象徴とされ、収穫感謝のハレの日に供えられてきた。

馬刺し
かつて貢馬の国として知られた山梨で、富士山信仰登山の荷揚げに使われた馬から生まれた馬刺しは、生肉を薬味と醤油で味わうシンプルながら奥深い郷土料理で、現代も高栄養価な食材として親しまれている。

ほうとう
かぼちゃのほうとうは「うまいもんだ」と誰もが知る山梨の味。塩を使わない麺を打ち粉ごと煮込む独特の技法は、嫁入り修行としても受け継がれてきた。