
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
赤貝がらん蒸しは、サルボウガイの貝殻ごとに醤油・酒・砂糖の調味液で蒸し煮にした郷土料理である。身は柔らかく、貝の出汁が溶け込んだ汁も旨味豊かに仕上がる。主な伝承地域は島根県の出雲地方で、中海と呼ばれる汽水湖を抱えるこの地はかつて日本一の赤貝産地として栄えた。正月料理の定番として親しまれ、かつては冬春の漁期に中海の漁師たちが本業とし、大根島の漁師が毎日売り歩くほど庶民の食卓に欠かせなかった。家庭によって調味液の配合や蒸し時間に違いがあり、近年は資源再生の取り組みにより平成25年(2013年)に出荷が再開され、再び食文化として息を吹き返している。
由来・歴史
赤貝がらん蒸しの主食材であるサルボウガイは、島根・鳥取県境の汽水湖「中海」を代表する産物である。古事記には因幡の白兎の傷を癒した貝として登場し、古くからこの地と深く結びついている。昭和30年代まで日本一の産地だったが、干拓事業や水質悪化により昭和50年代には出荷が途絶えた。平成10年代の養殖事業進展を経て、平成25年に出荷を再開した。「がらん」の名の由来は「殻」の訛りとも、砂を洗う際の「がらんがらん」という音ともいわれる。
食べ方
鍋に水、酒、醤油、砂糖などを入れ煮立て、赤貝を加えて殻が開き味が馴染んだら完成である。煮すぎると身が固くなるため手早く調理することが鉄則で、火鉢の上で直接焼いて食べることもある。正月料理として定着しており、かつては中海の漁師たちが冬春の本業として水揚げし、地元民が日常の食卓や祝いの席で頻繁に食べていた。近年は資源再生により再び食べられるようになっている。
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産地
島根県の名物

小豆雑煮
出雲の神在祭で振る舞われた「神在餅」が「ぜんざい」の語源ともいわれる、あっさり甘さの小豆雑煮。元旦の「すまし雑煮」と並び、島根の正月を彩る二つの雑煮の一つである。

ばくだんおにぎり
丸く大きく握ったおにぎりを岩のりが覆う「ばくだん」の名の由来は、その見た目にあった。隠岐の島で冬に収穫される香り高い岩のりを贅沢に使った、地元民に親しまれる郷土の味である。

ドジョウのけんちんじる
「どじょうすくい」の安来節で知られる安来市が、ドジョウ生産量全国第2位の地である。江戸時代から「ウナギ1匹ドジョウ1匹」と精をつける養生食として親しまれ、山の幸と共にけんちん汁に仕立てる。
アゴの子旨煮
「アゴが手に入らないと田植えにならん」という言い伝えが残る島根の初夏の味。トビウオの大粒の卵を旨煮にした、酒の肴にぴったりの贅沢な一品である。

ふきのとう味噌
春の訪れを告げる山菜を味噌で楽しむ島根の定番保存食。ふきのとうの独特な苦みと香りが、ごはんのおともやお酒のつまみにぴったりである。

へか
農具の「犂(すき)」の先端が鍋になったという、島根県石見地方の個性的な魚介鍋。新鮮な一日漁の獲物を豪快にぶつ切りにして、甘辛い割り下ですき焼き風に味わう。