
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大根、人参、ごぼう、しいたけなどを3cmほどの千切りにして鍋で煎り、醤油や砂糖で煮る根菜類中心の煮物である。能登半島の赤土に代表される粘りの強い土壌が育む「能登野菜」の独特な風味が決め手となっている。主に石川県能登地域で伝承され、正月のおせち料理やハレの日に欠かせない一品として位置づけられてきた。家庭ごとに使う野菜の組み合わせや味付けが異なり、地域性が色濃く現れるのが特徴である。現在は日常の家庭料理としては減少したが、行事の際に一度に大量に作られ、保存がきく冷めても美味しい料理として現代に受け継がれている。
由来・歴史
三方を海に囲まれた能登半島は、赤土による粘りの強い土壌で野菜栽培に恵まれた環境である。この風土を活かした「能登野菜」がブランディングされ、能登だいこん、神子原くわい、金糸瓜などおよそ20品目が「能登伝統野菜」「能登特産野菜」として認定されている。「あいまぜ」は「合い混ぜ」が語源とされ、こうした能登野菜を使った郷土料理の一つとして生まれた。旬の野菜を組み合わせる幅広いアレンジ性により、能登地域各地で独自の形で受け継がれてきた。
食べ方
根菜類を細かく千切りにし、鍋で煎ってから醤油や砂糖で煮る。油揚げを加えると野菜の旨味が染み込み、より美味しくいただける。熱い状態でも、冷めても美味しく食べられ、比較的保存がきく特性がある。正月のおせちやハレの日に欠かせない料理として、事前に作り置きしておくことが多い。近年は薄味に仕上げる傾向があり、気温上昇による保存環境の変化から2〜3日程度で食べきるのが一般的となった。
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産地
石川県の名物

べか鍋
「今日も食べっか」「明日も食べっか」という庶民の会話が名前の由来となった鍋料理。ぬか漬けのイワシと酒粕を合わせ、能登の寒い冬を乗り切ってきた発酵の知恵が詰まっている。

ぶり大根
「ブリ一本、米一俵」と称された能登の天然寒ブリを、大根とじっくり煮込んだ石川県の冬の味覚。江戸時代は藩主への献上品だった高級魚が、今では家庭の定番料理となっている。

大根ずし
北前船が運んだ身欠ニシンと加賀野菜の源助だいこんを、甘酒で漬けた発酵食品。粗雑な見た目とは裏腹に、大根のシャキシャキとした食感と魚の甘み、発酵の酸味が調和する日常の味である。

えびす / べろべろ
「べろべろ」「はやべし」など、つるつるの見た目や柚餅子に由来する愛称が各地で親しまれる。甘じょっぱい味わいは「おかずかお菓子かわからない」と地元民を悩ませる。

五色生菓子
加賀藩御用菓子士・樫田吉蔵が珠姫の輿入れに献上した「五色生菓子」。五重の菓器に詰められた赤・白・黄の餅と蒸しようかんが、天地自然「日月山海里」を象徴する婚礼の祝い菓子である。

はす蒸し
「餅れんこん」と呼ばれる加賀れんこんの粘りを活かした蒸し物。藩政時代から続く歴史ある野菜の、もっちりとした食感が特徴の郷土料理である。