
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
あぶってかもは、スズメダイを鱗や内臓ごと塩漬けにして焼き上げた福岡市沿岸地域の郷土料理である。体長10cm程度の小魚ながら脂が乗り、こんがりとした鱗や皮、ジューシーな身の食感が特徴で骨ごと食す。主な伝承地である博多湾にほど近い玄界灘は、黒潮が合流する栄養豊富な漁場であり、明治時代末期に大量のスズメダイが流れ込んだことが食文化の起点となった。3月頃から夏の終わりにかけて市場に出回り、特に産卵期を前にした初夏が最も美味しい時季である。家庭の食卓だけでなく県内の飲食店でも酒の肴として提供され、現代では博多名物として親しまれている。
由来・歴史
明治時代の終わり頃、玄界灘に大量のスズメダイが流れ込み、船の進路確保のためにすくい上げた漁師が塩をふって保存し、後で焼いて食べたところ脂が乗って美味しかったことから食べられるようになった。料理名は「あぶって噛もう(焼いて食べよう)」や、あぶったら鴨のような旨味を感じたことに由来するとされる。博多名物として認知されるようになったのは、料亭などで提供され始めた昭和時代に入ってからである。
食べ方
鱗や内臓は取り除かず、そのまま塩をまぶして一晩おいたスズメダイをこんがりとあぶり、鱗や皮の香ばしさ、ジューシーな身の食感を楽しみながら骨ごと食する。3月頃から夏の終わりにかけて市場に出回り、産卵期を前にした初夏が最も脂の乗る美味しい時期である。家庭の食卓はもちろん、県内の飲食店でも酒の肴として提供される。
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産地
福岡県の名物

あちゃら漬け
南蛮貿易がもたらした異国の風を孕む漬物。ポルトガル語「achar」が名の由来とされ、赤唐辛子の辛味が爽やかな甘酢と絶妙に響き合う。冷蔵なき時代の夏の保存食として博多の台所に根付いた。

あまぎのかわたけ
江戸時代に将軍へ献上された福岡県朝倉市の幻の天然淡水海苔。水質悪化で絶滅危惧種となり、現在は黄金川の保全活動とともに守られている貴重な食材である。

べたもち
舌平目「ベタ」の扁平な形にちなんで名付けられた福岡の小麦粉菓子。田植え終了の感謝祭「さなぼり」に欠かせない伝統の味である。

えびざっこ
「ざっこ」とは漁で獲れる雑多な小型エビの総称。豊前海の漁師が新鮮なうちにさっと煮るごちそうとして親しまれ、甘醤油の煮汁でそうめんを食べるのが地元流である。

エツの南蛮漬け
有明海・筑後川にのみ生息する「幻の魚」エツを、年に一度の解禁期に南蛮漬けに仕立てる福岡の夏の味。銀鱗を振って息絶える儚さが「美人薄命」の異名の由来である。

ふなやき
「ふな」とは舟のこと。底面が湾曲した大きな鉄鍋で焼き、半分に折ると舟のような形になることから名付けられた。黒砂糖を包めばおやつ、高菜漬けを挟めば軽食と、一つの生地で甘辛両方を楽しめる筑後の知恵がある。