
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
つがにめしは、ツガニ(モクズガニ)を米と一緒に炊き込んだ飯料理である。一晩水に漬けたツガニをタワシで洗い、甲羅を剥がしてエラを除き二つ割りにして釜に並べ、塩や醤油で味付けして炊き上げる。ご飯に染み込んだカニの独特の風味が特徴だ。主な伝承地域は玄界灘に注ぐ唐津市七山の玉島川や塩田川流域で、有明海や玄界灘の豊かな水産資源に恵まれた佐賀県において、海の幸とは異なる「川の幸」を活かした貴重な郷土料理である。食べられるのは主に秋から冬にかけて、ツガニが産卵のために川を下る9〜12月頃で、七山では秋の風物詩として親しまれてきた。昔は鶏をさばくよりも調理が簡単だったため、お祝いで人が集まる場面で重宝された。現代では資源減少により以前に比べて少なくなり、毎年約1万匹が筑後川に放流されるなど保護活動が行われている。
由来・歴史
ツガニは日本全国の河川に生息する代表的なカニで、地元ではツガネ、ヤマタロウ、関東ではモクズガニと呼ばれる。はさみに「藻屑」のような柔らかい毛が密集し深緑色に見えることが名の由来だ。つがにめしがよく作られるのは秋から冬だが、これはツガニが9〜12月に川を下り、海水が入り込む河川や浅海域で産卵する生態による。産卵のために川を下るカニは味が良く、雨で水かさが増えて濁った時に竹製の筌(うけ)で獲る伝統があった。
食べ方
ツガニは一晩水につけて汚物を吐かせ、タワシできれいに洗う。甲羅を剥がしエラを除いて二つ割りにし、米と水、塩や醤油とともに釜に並べて炊き上げる。カニが苦手な場合は、少量の水を入れた鍋に生きたまま入れ、動かなくなったところで調理するとよい。カニが赤くならない程度で火を止めるとうまみが逃げず、炊き上がりの風味が良くなる。食べる時期は産卵のために川を下る秋から冬頃で、唐津市七山では秋の風物詩として親しまれ、お祝いの席などで供されてきた。
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産地
佐賀県の名物

いかのかけ和え
佐賀県では「かけ和え」「かけやぁ」と呼ばれる、魚介と野菜を酢味噌で和えた料理。秋祭りには脂がのったサバを使うのが定番で、普段の粗食を補うハレの日の味として親しまれてきた。

しゃっぱの煮付け
「がねしゃっぱ」とも呼ばれるシャコは、有明海で水揚げされる夏の味覚。醤油で炊くとうまみたっぷりのだしが出る煮付けにされ、煮汁はそうめんの漬け汁としても重宝される。

わらすぼのみそ汁
「エイリアン」のような見た目の有明海の珍魚・ワラスボを使った味噌汁。凶暴な性格から「嫁泣かせ」と呼ばれたこの魚は、独特のうまみがクセになる地元の夏の味である。

干し柿なます
「柿のれん」で知られる佐賀市大和町松梅地区のおせち名物。干し柿のモチモチとした食感と大根のシャキシャキ感が絶妙にマッチする、甘酸っぱいなますである。

栗おこわ
「ごっくうさん」と呼ばれる三角の形で神に捧げ、秋の「くんち」で客人をもてなす佐賀の味。勝ち戦を願う「かち栗」を使う地域もある。

くちぞこの煮付け
靴底の形に似た魚「くちぞこ」を、甘辛く煮含めた有明海沿岸の定番魚料理。夏から秋のふっくらとした身が最高とされ、日常食として親しまれている。