
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
里いも、干ししいたけ、ごぼう、れんこん、こんにゃく、にんじん、鶏肉をだしで煮込み、片栗粉で軽くとろみをつけた山口県萩市の汁物料理である。萩はかつて長州藩の城下町であり、海と山に囲まれた地形から豊富な根菜類が産出される土地柄で、これらを惜しみなく使った冬の滋味が特徴である。祭りや仏事、客人のもてなしなど、日常生活から儀礼的な場面まで幅広く食されてきた。仏事の際は鶏肉を抜きぎんなんを加えるなど、用途に応じたアレンジが各家庭で受け継がれており、隣接する福栄村では汁気を多くするなど地域差も見られる。現代でも萩の食卓を彩る郷土料理として親しまれている。
由来・歴史
「のっぺい」「のっぺい汁」は日本全国に分布する名称だが、山口県萩市のものは城下町の食文化を色濃く残す。かつてはとろみ付けにくず粉を用いていたが、現在は片栗粉や小麦粉が一般的となった。萩では仏事に供する際は精進料理とし鶏肉を入れないなど、行事に応じた使い分けが定着している。
食べ方
塩をふった里いもと水戻しした干ししいたけ、下ゆでしたごぼう・れんこん、こんにゃく、にんじん、鶏肉を食べやすい大きさに切り、鍋に入れてだしで煮る。煮立ったら砂糖・薄口醤油・みりんで味をつけ、中火で40分ほど煮込んだ後、水溶き片栗粉で軽くとろみをつけて完成する。冬場を中心に、日常のおかずとしてはもちろん祭りや仏事、客人のもてなしにも供される。
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産地
山口県の名物

大平
直径50cmの大きな蓋付き漆器「大平」に盛り付けることから名付けられた岩国の祝い料理。豪華な岩国寿司と並んで冠婚葬祭の席に欠かせない、汁多めの煮物である。

つしま
朝鮮通信使を案内した櫛ヶ浜の漁師が創ったとされる山口県周南市の郷土料理。豆腐と干ししいたけ、野菜を煮て和えた日持ちする保存食で、対馬藩にちなみ「つしま」と名付けられた。

茶がゆ
江戸時代に岩国藩主・吉川公が米の節約のために奨励した「茶がゆ」。ほうじた番茶を専用の鉄釜「鑵子」で煮出し、サラリとした口当たりに仕上げる。夏は冷やして、冬は温かく食べる風流な庶民食である。

岩国寿司
「殿様寿司」の異名を持つ岩国の押し寿司は、江戸時代に岩国藩主・吉川公に献上されて喜ばれたと伝わる。錦帯橋の街・岩国の城下町文化が生んだ、3〜5段に重ねた華やかな祝い料理である。

わかめむすび
江戸時代、参勤交代の侍が刻みわかめをご飯にふりかけた姿を、宿の女中が「茶殻をかけて食べる」と驚いたという逸話を持つ。日本海の春の風物詩・干しわかめをまとわせた朴訥なおむすびは、今も山口の故郷の味として親しまれる。

瓦そば
昭和36年(1961年)に川棚温泉の旅館が生み出した「瓦そば」。西南戦争で薩摩兵が瓦で肉を焼いた話と、江戸時代から庶民に許された「瓦」の地縁が結びつき、全国に名を轟かせた山口のソウルフードである。