
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
夏みかんの皮を砂糖で煮詰め、グラニュー糖をまぶして乾燥させた甘菓子である。山口県萩市は、長州藩の城下町として栄えた後、藩庁移転で経済的に疲弊した土地であり、士族救済のために夏みかん栽培が広まった経緯がある。4〜6月の収穫期に家庭で簡単に作られ、甘いものが少なかった時代に重宝された。茹で方や砂糖の配合、乾燥の仕方などは各家で工夫され、現在も多くの家庭で作り継がれている。
由来・歴史
萩に夏みかんがもたらされたのは文化年間の初頭で、もともとゆずの代用として使われていた。文久3年(1863年)の藩庁移転と士族の給禄奉還で困窮した萩の町民を救うため、新政府の要職を歴任した小幡高政が廃屋となった侍屋敷に夏みかんを蒔き、苗木を士族に配布した。これにより萩の街全体で夏みかん畑が広がり名産品となった。ひとつの木に新旧の実がなることから「代々(だいだい)」と呼ばれ、「だいだい菓子」は皮まで大切に使ったおやつとして定着した。
食べ方
4〜6月の夏みかん収穫期に家庭で作られる。皮を薄く削り4つ割にして茹で、水にさらした後、皮の重さと同量か8割の砂糖で弱火で煮詰める。蜜を落とし粗熱を取ってグラニュー糖をまぶし、扇風機で乾燥させて完成する。甘いものが少なかった時代に特に重宝され、現在も多くの家庭で作られている。
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産地
山口県の名物

筍の味噌煮
岩国の春の名産・タケノコを、味噌と砂糖で甘辛く煮詰めた山口の家庭料理。成長が早く旬の短い「幻の春味」を、水煮でも味わえる保存食文化の知恵が詰まっている。

いとこ煮
「遺徳煮」とも書かれる由緒正しい行事料理。萩では澄んだ汁にシイタケやかまぼこを配した冷たい汁物仕立てとなり、祝い事には紅白玉、仏事には白や緑の団子を入れる。

瓦そば
昭和36年(1961年)に川棚温泉の旅館が生み出した「瓦そば」。西南戦争で薩摩兵が瓦で肉を焼いた話と、江戸時代から庶民に許された「瓦」の地縁が結びつき、全国に名を轟かせた山口のソウルフードである。

くじらの竜田揚げ
戦後の学校給食で「給食界のチャンピオン」と呼ばれた、噛むほどに味わい深いクジラ料理。節分に大きなものを食べて邪気を払う山陰の古い風習が、現代の下関の名物として受け継がれている。

かぶ雑煮
焼かない丸餅がすまし汁にとろみをつける、山口県のお正月の「かぶ雑煮」。するめを結んで入れると香りと見た目が引き立つ。
ふるさと納税外郎
ワラビ粉で「おっとり」としたなめらかさを生む山口県の外郎は、名古屋とはまったく異なる食感の伝統銘菓。室町時代から親しまれ、日常のお茶菓子から贈答品まで幅広く用いられる。