
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
れんこん、にんじん、油揚げを三杯酢で和えた酢の物で、いりごまを添えて仕上げる。山口県岩国市の特産である岩国れんこんを使用し、一般的なれんこんとは異なる9つの穴と、もっちりとした粘りとシャキシャキとした独特の食感が特徴。岩国市は風光明媚な城下町で、温暖な気候と長い日照時間がれんこん栽培に適した土地柄。日常の家庭料理として親しまれるほか、岩国寿司や大平と合わせて「氏盛料理」としてハレの場面にも供され、お節料理にも欠かせない一品となっている。家庭によって具材の組み合わせや酢の配合に違いがあり、岩国れんこんの食感を活かした箸休めとして現代も受け継がれている。
由来・歴史
岩国れんこんの栽培は約200年前、殖産家村本三五郎が大分県から持ち帰ったことに始まる。岩国藩主・吉川公の家紋に似ていたことから喜ばれたという逸話が残る。農家たちの改良により独特の食感が生まれ、県内外に名を知られるようになった。「はすのさんばい」の名の由来は二説あり、三杯酢からきた説と、中国・四国地方で「田の神様」を「さんばい」と呼んでいたことに関係する説がある。
食べ方
れんこんは薄切りにして酢を入れた熱湯でゆで、にんじんは塩ゆでし、油揚げは油抜きしてフライパンで焼いてから細切りにする。穀物酢、砂糖、薄口醤油、塩で合わせ酢を作り、具材とあえていりごまを加える。日常の食卓に加え、お節や「氏盛料理」としてハレの日にも食される。
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産地
山口県の名物

ぬた
クジラの尻尾「オバイケ」をねぎとあえた山口北浦の郷土料理。江戸時代から続く捕鯨の地ならではの味わいで、桃の節句にも供される春の伝統あえ物である。

ごぼう巻き
かまぼこ作りの副産物であるエソの皮を、ごぼうに巻いて焼いた山口県萩の名物料理。江戸時代から続く水産加工の知恵が生んだ、捨てるところのない食文化の象徴である。

柏餅
柏餅は山口県で「ほてんどもち」「いぎの葉もち」など多くの別名で親しまれる端午の節句の菓子。サルトリイバラの葉を使うことに「家系が絶えない」という縁起が込められ、田植えの楽しみとしても食べられてきた。

柏椀
「かしわ」は鶏肉のこと。丁寧に煮た具材を冷ました汁で仕上げる山口のおもてなし料理で、椀に盛った美しい彩りが客人をもてなす心を表す。

うの花きずし/唐ずし
おからをシャリ代わりに使う山口県北部の独特な寿司。イワシを酢で締めて巻きつけ、価格が安く保存にも利く庶民の知恵が詰まった名物である。

ちしゃなます
関ヶ原の戦い後の困窮の中で誕生した、下関の縮れ野菜「かきちしゃ」を使った酢味噌和え。葉をもむようにあえる「ちしゃもみ」とも呼ばれる、栄養価の高い知恵の料理である。