
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
大根葉やいもじ、ほうれん草などのゆでた野菜を細かく刻み、味噌とごま油で炒めた郷土料理である。主な伝承地域は富山県西部の砺波市などで、カイニョと呼ぶ屋敷林に囲まれた散村(散居村)という日本の原風景が残る砺波平野を中心に食されている。夜に作り置きをして翌日の朝に食べることから「夜越し」と呼ばれ、日常的な家庭料理として暮らしに根付いている。使用する野菜は季節や家庭によって大きく異なり、なすや干し野菜を用いる場合もあれば、ほうきんの実を使ったものは報恩講の法要料理として特別な位置づけとなる。現代ではかさ増しの目的から定番のおかずへと変化し、味噌の濃い味付けは熱々のご飯のお供として世代問わず愛されている。
由来・歴史
砺波平野を中心とした富山県西部の散村地域で日常的に食されてきた。名称は夜に作り置きして翌朝食べる習慣に由来し「夜越し」から転じた。かつてはお米が不足する時代にかさ増しとして作られていたが、現在では定番のおかずとして定着している。ほうきんの実を使ったものは親鸞聖人の命日に行う報恩講の法要料理として特別な意義を持つ。
食べ方
大根葉などの野菜をたっぷりのお湯でゆで、流水で洗ってしっかり水気を絞る。ごま油をひいたフライパンで炒め、味噌や砂糖で味を調える。唐辛子を加えると辛味がアクセントとなる。季節を問わず様々な野菜が使え、家庭ごとに味噌の配合や具材をアレンジするため味の違いが生じやすい。作り置きして翌日の朝食などに供されることが多い。
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産地
富山県の名物

おすわい/すばい
「お酢和え」が訛った名前を持つ富山県民のソウルフード。紅白の千切り野菜に甘酢を和え、正月の重箱から日常の常備菜まで幅広く親しまれている。

ばいの煮もの
「めでたいことが倍になる」という縁起の良い語呂から、お祝いの席に欠かせない富山の名物料理。殻ごと煮上げることで、バイ貝の旨みを存分に味わえる。

焼き付け
昭和初期の食糧難から生まれた富山の素朴な郷土食。大きな鉄鍋で薄く広げたもち粉生地に味噌ダレを塗り、野良仕事の合間にみんなで食べた腹持ちの良い一皿。

黒づくり
黒く光るイカスミ塩辛は、参勤交代で将軍家に献上された由緒ある富山の珍味。深みのある味わいとまろやかな塩味がクセになる。

昆布〆
江戸時代、北前船が運んだ北海道の羅臼昆布と富山湾の魚が出会い生まれた「昆布〆」。昆布に挟んだ刺身が一晩で熟成し、旨みが凝縮する保存食が現代の名物料理となった。

黒豆おこわ/みたま
富山県東部で「みたま」「白ごわい」とも呼ばれる黒豆おこわは、かつて祭りの祝い飯だったが、現在は葬儀・法事の弔事料理として定着。黒部市では秋にイナキビを加えた「きびおこわ」が神仏への供え物となる。