
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ほたるいかの酢味噌和えは、産卵のため富山湾沿岸に集まるホタルイカを、辛子酢味噌で和えた春の郷土料理である。滑川漁港を中心とする富山湾は、漁場と漁港が近いため傷みにくく鮮度の高いホタルイカが水揚げされる日本屈指の産地である。3月の解禁から6月頃までの漁期に、特に港町の家庭では毎週のように食卓に並び、富山の春の訪れを告げる味覚として親しまれてきた。ワケギやアサツキを添えて彩りを良くしたり、ワカメ・ミョウガ・ショウガを加えたりと、家庭ごとにアレンジが加えられ、おもてなしや酒のつまみとしても欠かせない存在となっている。
由来・歴史
ホタルイカの漁は江戸時代からこの地で行われていたことが史料からもわかる。全身が青白く光るホタルイカは「富山湾の神秘」と呼ばれ、群れで浅瀬を漂う様子が「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されている。漁期には水田の水を海に流さないなど、漁の保護にも取り組まれている。
食べ方
塩水で沸騰させた鍋にホタルイカを入れてゆで上げ、目を取る(家庭では食べる時に個人で取ることが多い)。ワケギもゆでて水気を切り、食べやすい長さに切って添える。味噌・酢・辛子・砂糖などを合わせた辛子酢味噌をかけて食べる。ワケギのほかワカメ・ミョウガ・ショウガを添えることもある。3月から6月頃の漁期、特に港町の家庭では春から初夏にかけて頻繁に食べられ、おもてなしや酒のつまみとしても楽しまれる。
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産地
富山県の名物

昆布巻き
「よろこぶ」の語呂から縁起が良い昆布で魚を巻き、正月に食べる富山のハレの日のごちそう。北前船が運んだ北海道の昆布とニシンが出会い、とろけるような煮付け料理に生まれた。

黒豆おこわ/みたま
富山県東部で「みたま」「白ごわい」とも呼ばれる黒豆おこわは、かつて祭りの祝い飯だったが、現在は葬儀・法事の弔事料理として定着。黒部市では秋にイナキビを加えた「きびおこわ」が神仏への供え物となる。

昆布〆
江戸時代、北前船が運んだ北海道の羅臼昆布と富山湾の魚が出会い生まれた「昆布〆」。昆布に挟んだ刺身が一晩で熟成し、旨みが凝縮する保存食が現代の名物料理となった。

黒づくり
黒く光るイカスミ塩辛は、参勤交代で将軍家に献上された由緒ある富山の珍味。深みのある味わいとまろやかな塩味がクセになる。

よごし/ごま味噌和え
「夜越し」の名は、夜に作り置きして翌朝食べる習慣に由来する。砺波平野の散村で世代を超えて親しまれる、味噌とごま油の香ばしさが特徴の炒め物である。

おすわい/すばい
「お酢和え」が訛った名前を持つ富山県民のソウルフード。紅白の千切り野菜に甘酢を和え、正月の重箱から日常の常備菜まで幅広く親しまれている。