
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
てんぷらは、エビ、キス、イカ、アナゴ、メゴチ、ホタテ、稚鮎などの魚介類や野菜に小麦粉をまぶし、卵と小麦粉を溶いた衣液にひたして植物油で揚げた料理である。江戸という新興都市で、江戸前の新鮮な魚介類をごま油で揚げ、熱々の状態で食すのが大きな特色である。油が高価だった昭和初期まではハレの日の特別料理として食され、見栄えと満足感を兼ね備えた揚げ物として重宝された。家庭では季節に合わせて食材を選べるため、核家族化の進行とともに購入する惣菜となった一方、大家族では手作りが経済的で揚げたての美味しさを味わう機会ともなっている。
由来・歴史
16世紀中頃、ポルトガルから伝わったフリッターに類する南蛮料理が原点とされる。しかし食用に大量の油を用いる料理は当時の日本では限られ、普及は江戸時代に入り菜種油の生産が高まってからである。江戸時代、七輪の発明も後押しし、屋台で立ち食いする庶民の外食として盛んとなった。油切れが悪かったため串に刺し、大根おろしを添えて提供された。後半になると揚げ方や具材の吟味が進み、からりと揚げた高級料理へと発展。火事予防のため屋台限定だったが、明治以降に料亭や専門店が広がり地位を確立。関東大震災で職を失った職人が全国に移住し、江戸前のてんぷらが広まった。
食べ方
食材に下粉を打ち衣液にひたし、浅い銅鍋(てんぷら鍋)で160~180℃の多量の熱い油で揚げる。揚げたてを鰹だしのつゆにつけたり、岩塩や香辛料入りの塩、レモンなど柑橘系の酢を振ったり、生姜汁や醤油だしつゆに大根おろしを添えて食べる。また、甘辛味のつゆでさっと煮て汁ごとご飯にのせた天丼としても食される。季節に応じた食材選びが可能で、年中食べられるが、油が高価だった時代はハレの日の特別料理であった。
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産地
東京都の名物

お雑煮
武士の言葉遊びから生まれた角餅が特徴。元禄年間に野田・銚子の醤油文化と出合い、江戸っ子好みの濃口すまし汁が確立された正月の主役料理である。

べったら漬け
「べったり付くぞ」と縄で振り回されたのが名前の由来。江戸時代のえびす講で売られていた大根の浅漬けが発祥の、東京庶民の味。

しょっから汁
「しょっから」は小ぶりのムロアジを丸ごと塩漬け発酵させた魚醤で、アシタバとサトイモを加えて煮込む伊豆諸島の汁物。独特の臭いと濃厚な旨味が特徴で、くさやと並ぶ島の保存食文化を体現している。

おでん
「おでん」は女房言葉で「田楽」に「お」をつけた名称。拍子木形の豆腐が田楽舞に似たことから生まれた、東京ならではのちくわぶ入りの煮込み料理である。

柳川鍋/どじょう汁
江戸庶民の夏の滋養食「どじょう汁」には、生きたまま煮る「丸鍋」と骨抜きの「ぬき鍋」、卵とじの「柳川鍋」の3種類がある。1801年創業の「駒形どぜう」は、縁起をかついで四文字から三文字の店名に変えた老舗である。

うどの酢味噌和え
江戸時代から親しまれる「室(むろ)」で白く軟化させた練馬の伝統野菜・うどを、酢味噌でさっぱりと和えた冬の味覚。深さ3〜4メートルの暗い穴の中で手間をかけて育てる独自の栽培法が、柔らかな食感と風味を生み出す。