
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
コハダを酢漬けにし、クチナシで黄色く染めた蒸し粟と交互に重ねて漬け込む保存食である。味は酢の酸味と粟の甘みが調和し、しょうがのみじん切りと唐辛子の輪切りがアクセントとなる。東京湾・江戸前を代表する光りもので、職人の技が問われる食材を用いる。正月のおせち料理として二の重に詰められ、縁起担ぎと五穀豊穣の祈願を兼ねる。家庭によって酢の加減や漬け込み時間に違いがあり、2〜3日漬けが基本だが即席で仕上げることも可能である。現代でも東京を中心に正月の定番として親しまれている。
由来・歴史
江戸時代から江戸前を代表する食材だったコハダは、仕込みに職人の技が問われる光りものの代名詞である。成長により名前が変わる出世魚であることから縁起を担ぎ、クチナシで黄色に染めた粟と漬けることで「五穀豊穣」を願い、正月料理に用いられるようになった。
食べ方
コハダの頭と内臓、骨を取り除き塩でしめて酢漬けにし、冷ました蒸し粟と交互に重ねて漬ける。しょうがのみじん切りと唐辛子の輪切りを加え、酢を強めにすることで保存性を高める。年末に用意し正月に食されるが、数時間で漬け込む即席仕立ても可能である。
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産地
東京都の名物

桜もち
1717年、隅田堤の桜の落ち葉を塩漬けにして餅を包んだのが始まり。長命寺門前で生まれた江戸の菓子は、花見客に大当たりし東京の名物となった。

いもようかん
明治時代に浅草の芋問屋と菓子職人が生み出した庶民の和菓子。高価だった練りようかんに代わり、手近なさつまいもで作られる身近な甘味として歓迎された。

鰻のかば焼き
「江戸前」はもともと鰻から生まれた言葉。大川河口で獲れた鰻を「江戸前鰻」と呼んだことが始まりで、関東独特の背開き・蒸し・たれ焼きの技法が確立された。

そば
「西はうどん、東はそば」という言葉通り、気性の激しい江戸っ子に最も愛された麺。年越しそばや引っ越しそばとして縁起物としても重宝され、駅の立ち食い文化まで生み出した。

にぎりずし
江戸時代の屋台食から世界へ広まる日本の食文化。具材より飯を食べて小腹を満たした庶民の味が、高級料亭から回転寿司まで多様な形で親しまれている。

島ずし
江戸前の「ヅケ」技法のルーツともいわれる、伊豆諸島の島ずし。ワサビの代わりに練りがらしや島唐辛子の「島とう醤油」を使う独特の食文化が、各島で独自に発展した。