
写真出典:農林水産省「うちの郷土料理」
紹介
ハマグリ、人参、しいたけを油で手早く炒め、煮汁ごと米と炊き上げる炊き込みご飯である。茨城県大洗町・鹿島灘・はさきの沿岸部で獲れる「鹿島灘はまぐり」は、親潮と黒潮がぶつかる鹿島灘の豊かな海で育ち、国内流通する国産ハマグリの半数以上を占める希少な食材である。6月から7月の産卵前が旬だが、かつては時期を問わず家庭で親しまれた。ハレの席には欠かせない縁起物として、結婚式や雛祭り、お正月にも供された。味付けや具材は家庭ごとに異なり、ぷりぷりの食感と濃厚な旨味を楽しむ。
由来・歴史
鹿島灘は親潮と黒潮の潮目に位置し、春から初夏にかけて10cmを超える大ぶりなハマグリが獲れる。和名「チョウセンハマグリ」が輸入品と誤解されることを避け、1995年に「鹿島灘はまぐり」としてブランド化された。国内流通するハマグリの国産品はわずか10%に減少したが、その半数以上が鹿島灘産であり、3漁協による輪番制の計画的漁業で資源保全が図られている。
食べ方
ハマグリを食べやすい大きさに切り、人参・しいたけとともに油で手早く炒める。炒めすぎると身が硬くなるため注意が必要で、炒めた煮汁と水を米に入れて炊き上げ、最後に具を混ぜ込む。6月から7月の産卵前が最も旨味が濃い旬である。貝殻が他と決して合わない「夫婦和合」の象徴とされ、結婚式や雛祭り、お正月などのおめでたい席で振る舞われてきた。
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産地
茨城県の名物

干しいも
遭難した薩摩の船を助けた縁から静岡に伝わり、茨城で一大産業となった「干しいも」。海風を利用した製法が全国トップの生産量を生み出す。

いもがらの炒め煮/いもがらの五目煮
里芋の葉柄を乾燥させた「いもがら」は、茨城の家庭で長く愛される保存食。シャキシャキとした歯ごたえと味染みの良さから、正月の定番煮物から日常の常備菜まで、幅広く重宝されてきた。

いわしの卯の花漬け
「卯の花」とはおからのこと。北茨城の豊かな漁場で水揚げされる新鮮なイワシを、酢と合わせたおからに漬け込むことで長期保存を可能にした、知恵の詰まった郷土料理である。

ごさい漬け
「ごさい」の名は脂肪分の少ない小型イワシ「こさい」が由来ともいわれる、鹿島灘の発酵漬け物。かつては秋のイワシ漁で各家に配られ、庶民の貴重なタンパク源となった冬の保存食である。

五目いなりずし
笠間稲荷神社の参詣客に振る舞われた華やかないなりずし。人参やごぼう、しいたけのほか、常陸秋そばやくるみなど地場産食材を使うのが茨城流。色とりどりの具材が見えるよう、口を上にして並べるのが特徴。

がりがりなます
鬼おろしで大根を"ガリガリ"と粗くすりおろす独特の食感が名前の由来。茨城県南部の水田地帯では、正月などのハレの日に欠かせない郷土料理として親しまれている。